この記事には、「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」第4話『狭い海（ナロー・シー）の王』のネタバレが含まれています。

「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」ヴィセーリスとデイモンの歪んだ兄弟関係

「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」ヴィセーリスとデイモンは血を分けた兄弟だが、それぞれの性格は全く異なるといえる。ヴィセーリスは、根は娘や弟思いの善人だ。しかし、同役を演じるパディ・コンシダインいわくヴィセーリスは「ただの良い人」であり、「王でありながら王でない男」と表現する。「彼は天性のリーダーじゃないので、本当は王であるべきではない。彼はただの良い人なんです。それは、あの王国を統治するのに必要な資質ではありません」。

一方、デイモンは「良い人」とは言えないが、王都の守人をまとめ上げ、三頭市を倒し、‟狭い海の王”と評される根っからのリーダーだ。しかし彼の思惑は謎であり、演じるマット・スミスも、デイモンには「奇妙な曖昧さ」があると指摘する。「彼が何を考え、何を意図し、何を志しているのか、本当に分かりません。色々なことがあり得るので、それが非常に面白いと思いました」。

第4話『狭い海（ナロー・シー）の王』では、その「奇妙な曖昧さ」がさらに増したのではないだろうか。王都に帰還したデイモンは、姪であるレイニラを変装させて娼館に連れ出すのだ。そして「結婚は我々の務めだ」「だが欲望を捨てる必要はない」と彼女を誘惑し、2人はことに及ぼうとする。

デイモンの目的は、レイニラに快楽を教えたいだけなのか、彼女の評判を落とそうとしているのか、それとも彼女と結婚して鉄の玉座に就くことを狙っているのか。彼がこのような行動に至った理由は明らかではないが、結果として兄ヴィセーリスとの関係が悪化したことは間違いない。エピソード序盤ではヴィセーリスが抱擁でデイモンを迎え入れるが、レイニラと性交したという疑いが浮上し、再び2人は激しい言い争いになる。スミスはそんなヴィセーリスとデイモンの兄弟関係を「実に複雑」と表現し、その理由を以下のように紐解く。

「色んな意味で、身近で普通だから複雑なんだと思います。そしてどのような兄弟関係でもそうですが、異なる力関係が存在するのです。ある時は一方が支配し、ある時はもう一方が支配する。願わくはこの作品を見て、歴史や兄弟愛を感じていただければと思います。」

さらにスミスは、デイモンが「いつも裏表があり、多くの点で兄と足並みを揃えたり、揃わなかったり」する理由を、「王位継承の野望とかそういうことではなく、大部分は兄が理由だと思う」と語っている。この歪んだ兄弟関係には、一体どのような未来が待っているのだろうか。その成り行きに目が離せなくなりそうだ。

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Source:Entertainment Weekly