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『ジョン・ウィック:コンセクエンス』ED曲、イン・ディス・モーメント「I Would Die For You」のダークな官能

Tapes84

キアヌ・リーブス主演『ジョン・ウィック』シリーズはロック・ミュージックと縁深い。シリーズ1作目の挿入歌にマリリン・マンソンが起用されてからというものの、作品の持つハードボイルドで激しい世界観を表す際、ロックは効果的に用いられていた(ちなみにキアヌ自身も、オルタナティブ・ロックバンド『Dogstar』のメンバーとしても活動する)。

シリーズ4作目となる最新作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』では、本編にもアキラ役で大活躍を見せた日本人アーティストのリナ・サワヤマによる書き下ろし曲「Eye For An Eye」をエンディング曲に起用。これに続いてエンドロールでは、メタルコアバンド「イン・ディス・モーメント(In This Moment)」の楽曲「I Would Die For You」が耽美に流れる。

イン・ディス・モーメントは2005年より活動する米ロサンゼルス出身のバンドで、メタルコア系としては比較的珍しい女性ボーカルの編成。ボーカルのマリア・ブリンクは結成当初より一貫しているが、ベースやドラムは何度かメンバーチェンジを繰り返している。

エッジの効いたどっしりと力強いリフに、ドライなスクリームを交えたキャッチーな女性ボーカル。ホラーやスピリチュアルな要素にインスパイアされた世界観やMVが特徴的。これまでに7枚のフルアルバムをリリースしており、何度か来日公演も行う、日本にも大勢のファンを持つバンドだ。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』に起用された「I Would Die For You」は、シリーズの楽曲を一貫して手がけるタイラー・ベイツ(ざっく・スナイダーやジェームズ・ガンの作品でも知られる)がバンドのマリア・ブリンク、クリス・ハワース(リードギター)と共に製作した曲だ。ベイツは米Entertainment Weeklyに、こんな裏話を披露している。

「ある時、チャド(監督)からいきなり電話がかかってきて、“タイラー、すごく好きな歌手がいるんだけど、わかるかな?マリアなんとかっていうんだけど、イン・ディスみたいなバンドにいて、イン・ディス……?”っていうもんだから、“イン・ディス・モーメントのこと?”って言ったら、”そうそう、それそれ!”って。実は今、ちょうど彼女たちの新曲をやってるところだって言いましたよ(笑)。バンドのみんなも『ジョン・ウィック』のファンでいてくれて、すごく嬉しいですね。」

「I Would Die For You」は聴いただけでもダークな曲調だが、歌詞もなかなかに闇(病み?)である。「貴方のために死ぬ」とのタイトルが表すように、愛する人のために命を捧げる覚悟を、怪しく官能的にねっとり、じっとり歌ったものだ。妻を失い、抜け殻になった愛を引きずって激しく戦うジョン・ウィックの物語と絡まって、観客にエモーショナルな余韻を与えてくれる。サビの歌詞を訳すと、以下のようなものである。

「貴方のために死にます / 出来ぬことなどありません / 貴方のためにお願いします / 全て貴方に尽くします / 貴方のためなら人も殺せます / はい 本気です / 出来ぬことなどありません / 貴方のために死にます」

この楽曲「I Would Die For You」も収録された『ジョン・ウィック:コンセクエンス』のサウンドトラックは、各種配信プラットフォームで聴くことができる。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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