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ジョナサン・メジャースの裁判、9月に延期 ─ 検察側が証拠開示の必要性を指摘

ジョナサン・メジャース Jonathan Majors
Fred Duval / SOPA Images/Sipa US/Newscom/Zeta Image

知人女性に対する暴行の容疑で起訴された、俳優ジョナサン・メジャースの裁判が延期された。新たな開始日は2023年9月6日(米国時間)と告知されている。

メジャースは2023年3月25日、知人女性に対する絞首、暴行、ハラスメントの容疑でニューヨーク市警に逮捕された。タクシー車内で女性と口論となり、携帯電話を奪われそうになったことに激昂したメジャースが暴行を加えたとされる。5月、6月に聴聞が実施されており、予定通りであれば8月3日より裁判が開始される予定だった。

8月3日午前、メジャースは弁護士のプリヤ・チャウダリー、パートナーで俳優のミーガン・グッドらと裁判所に出廷。短い聴聞ののち、担当のマイケル・ガフィー判事が裁判の延期を発表した。地方検事補のケリ・ギャラウェイ氏は、裁判官に対して「現時点では裁判を始められる段階にない」と述べ、さらなる証拠開示が必要だと指摘。検事側の広報担当者は、裁判で「完全なる事実と証拠」を提示する方針を示している。

3月の逮捕以来、チャウダリー弁護士は“メジャースに罪はなく、被害者の女性が嘘をついている。実際の被害者はメジャースである”との主張を続けている。5月の聴聞では、司法制度そのものを「明示的で暗黙的な偏見」として批判し、一連の状況を「魔女狩り」だと述べた。ただし、“被害者が嘘をついている、証拠もある”との主張とは裏腹に、肝心の証拠は提出されていない。6月の聴聞後、弁護団は女性の告発に意義を申し立てる文書を撤回した。

もっとも、現在もメジャース側の主張は変わっていない。3日の聴聞後、チャウダリー弁護士は“被害者の女性がニューヨークに戻った場合、警察は逮捕する方針である”とのコメントを発表。これを受け、ニューヨーク市警は「その計画はない」と報道陣に回答した。女性に対する保護命令は現在も有効であり、今回の聴聞でも、ガフィー判事はメジャースに対し、保護命令に従って被害者の女性とは一切接触しないよう求めている(メジャースはこれを受け入れた)。

裁判で有罪となった場合、メジャースは最長1年の禁固刑、または3年間の保護観察処分となる。

3月の逮捕後、メジャースは出演が内定していた複数の映画企画や広告キャンペーンから降板となり、エージェント契約も打ち切られた。12月にはディズニー傘下サーチライト・ピクチャーズ製作の主演映画『Magazine Dreams(原題)』が米国公開予定だが、その後の動向は不明。マーベル・シネマティック・ユニバースでは征服者カーン役に起用されているが、こちらも続投・降板の方針は決まっていない。ただしマーベル・スタジオは、10月6日に配信される「ロキ」シーズン2の予告編にメジャースの登場シーンを使用。同作の撮り直しは現時点で行われない方針とみられる。

Source: Deadline

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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