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【ネタバレ考察】「オビ=ワン・ケノービ」第3話への賛否と、今後の展開予想

オビ=ワン・ケノービ
(C)2022 Lucasfilm Ltd.

この記事には、「オビ=ワン・ケノービ」第3話のネタバレが含まれています。

オビ=ワン・ケノービ
(C)2022 Lucasfilm Ltd.

「オビ=ワン・ケノービ」第3話、ダース・ベイダー登場

『スター・ウォーズ』のヴィランであると同時に、銀幕におけるスター悪役でもあったダース・ベイダーは、配信ドラマの小さな画面においても抜群の存在感を示した。『ローグ・ワン』(2016)にも描かれたように、ベイダーは怨念の地ムスタファーに居城を築いており、「オビ=ワン・ケノービ」第3話ではその玉座が登場した。かつては心優しいアナキン・スカイウォーカーだったこの男は、すっかり暗黒面に呑まれ、オビ=ワンへの復讐に燃えていた。

オビ=ワンが惑星マプーゾに潜伏していると知ったベイダーは、自らこの鉱山の星を訪れた。「パス」と呼ばれるネットワークの協力者に匿われていたオビ=ワンは、潜んでいた隠れ家にかつての愛弟子が接近していることを悟る。ベイダーはあの不気味な呼吸音と共に夜の村をジットリと歩き、怯えていた住民に無差別に手にかけていく。まずはフォース・チョークで1人を締め上げ、駆け寄ってきた子どもの首を躊躇いなく折った。さらに女性を引きずり回すと、その絶叫も気にせず歩き続ける。

震え上がるような恐ろしい姿を見せたベイダーは、ついにオビ=ワン・ケノービと対面。両者が赤と青のライトセーバーを起動させると、オビ=ワンは変わり果てたベイダーの姿に「なんて姿になった」と衝撃を覚える。対するベイダーは「お前が作ったのだ 今のこの私を」と憎悪をにじませ、ジリジリと近づいていく。

オビ=ワン・ケノービ
(C)2022 Lucasfilm Ltd.

どうやらダース・ベイダーは、因縁を持つ相手に戦いを避けられがちのようだ。『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)でも、ルーク・スカイウォーカーが「あなたとは戦わない」として決闘を避けたが、ここではオビ=ワンもベイダーから逃亡。しかしベイダーが追いつくと、ついに2人は運命の刃を交えることとなる。

「年月を経て衰えたな」と挑発するベイダーに対して、オビ=ワンは防戦一方だ。やがてベイダーはフォース・チョークでオビ=ワンを捕らえると、地に撒いた発火材を燃やし、そこにオビ=ワンを押し付けた。『エピソード3/シス復讐』(2005)ムスタファーで苦しんだ灼熱地獄を、今度はオビ=ワンにも味合わせる。

断末魔の叫びをあげる元マスターの悶絶を見たベイダーは「お前の苦痛は始まったばかりだ」と、待ちわびた復讐の時を愉しんでいるかのようだ。じっくり時間をかけ、痛ぶってから殺めるつもりなのだろう。

絶対絶命の展開となったが、ターラの援護射撃によって難を逃れたオビ=ワン。ベイダーは、いつものように深追いはしない。オビ=ワンの息の根を止めるチャンスは再び訪れるはずだと考えたのか、燃え盛る火の壁をぼうっと眺めた後、踵を返した。

オビ=ワン対ダース・ベイダー再戦に賛否

オビ=ワン・ケノービ対ダース・ベイダー、運命の戦いが再び。本ドラマ最大のクライマックスと期待されたリマッチが、第3話にして早くも実現した。2人が再会したというだけで『スター・ウォーズ』ファンは感激だ。赤と青のライトセーバーが闇夜に火花を散らす。

一方で、米io9が「待望の再戦のわりには、少し物足りなかった」と記しているように、期待外れだったと肩を落とすファンも少なくない。10年のブランクがあるとはいえ、オビ=ワンがあまりにも弱体化しており、敵前逃亡に終始していた点に落胆したという声もある。米Midwest Film Journalは「『スター・ウォーズ』が安っぽく見えるなんて、何をやってるんだ」と辛辣で、ディズニープラスの作品史上最悪だとさえ書いている。「これだけ?待ちに待った再戦が、これで終わりなの?」

「オビ=ワン」は全6話構成。この第3話はその折り返し地点に過ぎない。ラスボス格の1人であると見られた大尋問官も殺められた今、物語が対峙してゆくのはサード・シスター/リーヴァと、ダース・ベイダーであると見るのが自然だ。もっとも本ドラマでは、なぜオビ=ワンに強い執念を抱いているのかがわからないリーヴァとの鬼ごっこが全体的なテンポ感を損ねているような印象も否めない。残る3エピソードでは、リーヴァの反骨精神の理由が説明され、オビ=ワンとの対決も描かれることだろう。

オビ=ワン・ケノービ
(C)2022 Lucasfilm Ltd.

残り3話では、ダース・ベイダーとの再々戦も期待できるのではないか。本シリーズは「オビ=ワン対ベイダーの再戦」が最大のセールスポイントであるはずなので、第3話の対決で終了というのはありえない(、と信じたい)。

第3話の思いがけぬ再戦は、オビ=ワンにとって分が悪かった。『スター・ウォーズ』は戦争(ウォーズ)である。戦争とは、いつどこで予想外の戦闘が勃発するかわからないものだ。

オビ=ワンは隠遁中、生活のほとんどを労働に費やしており、かつてのジェダイ騎士時代のような訓練や実戦から遠ざかっている。さらに、第3話時点ではダース・ベイダーの正体がアナキンであると知ってから間もないこともあり、まだその衝撃と動揺から抜け出せていない。

一方のベイダーは軍帥として現役であり、そのキレは「オビ=ワン」から9年後の『ローグ・ワン』で披露されたように、戦闘体制はオビ=ワンより整っていた。シスの力の源である怒りや憎しみも、この暗黒卿の能力を増幅させていたはずだ。

オビ=ワンは、『シスの復讐』ムスタファー戦でも防御側にまわっている。とにかくアナキン/ダース・ベイダーとの戦闘をできるだけ避けたいと考えているのかもしれない。オビ=ワンにとって、ダース・ベイダーとは悪夢の化身そのものだ。その悪夢と戦う覚悟が、オビ=ワンの中でまだ確立されていなかったのではないか。

ドラマ「オビ=ワン・ケノービ」残り3話がどのような展開に進むか、自由に予想するとしよう。ポイントは3つ、「クワイ=ガン・ジン」「ベイダーとの再々戦」「アレック・ギネス版との容姿の整合性」と仮説を立てる。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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