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『マイティ・ソー/ラブ&サンダー』脚本改善中「本当に良いものになる」 ─ タイカ・ワイティティ、コロナ禍の延期も有効活用

タイカ・ワイティティ
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/36201776766/

新型コロナウイルスの感染拡大により、ハリウッドの大作映画は、軒並み前進を許されない状況にある。マーベル・シネマティック・ユニバース作品『マイティ・ソー/ラブ&サンダー(原題:Thor: Love and Thunder)』のそのうちのひとつだ。主演のクリス・ヘムズワースいわく、「数ヶ月後には撮影が始まる予定だったんですが、保留になってます」。現時点で今後の見通しは立たないままだ。

しかし脚本・監督のタイカ・ワイティティは、英Total Filmの取材にて、未曾有のコロナ禍を前にしても「ポジティブなことはあります」と前向きな姿勢を崩さない。そのうちのひとつは、撮影時期がはっきりとしない今こそ、脚本の仕上げに時間をかけられるということだ。

だいたいの映画は時間に追われているもので、僕たちが望んでいるほど、脚本などに長い時間を費やすことができません。だけど、まだ僕たちは『ラブ&サンダー』の脚本を書いている。執筆を続けられるのは良いことですよ。本当に良い脚本になると思います。物語を正しくするため、執筆には特に時間をかけるべき。後からできることではありませんからね。」

今回、タイカは「映画業界ではいつも、みんなが“時間が足りない”って文句を言ってるんです」とも話している。「だけど僕たちは今、作業の時間をたっぷり与えられている。だったら、その時間は使ったほうがいいですよね」。相変わらず飄々とした語り口だが、いくつものプロジェクトを抱える多忙の身ながら、創作に対する真摯な姿勢がうかがえるだろう。

2020年4月中旬の時点で、すでに本作の脚本は4~5回改訂されている。ソー役のクリスをして、その出来栄えは「長年読んできた中で最高。めちゃくちゃヤバい」と言わしめるほど。タイカ自身も「限界を超えた脚本」だとして、前作『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)が「平凡かつ守りに入っていると思えるくらい」と話していた。「そこらへんにいる10歳児にどんな映画にするべきかと聞いて回って、全員に“了解”と答えたような映画です」。

ところで、それって一体どんな脚本なのだろう。ただでさえヤバい脚本、時間をかければどこまでヤバくなってしまうのか……。もっとも今回の取材で、タイカは詳細については「言えません。何も言えません」とだけ答えている。

映画『マイティ・ソー/ラブ&サンダー(原題:Thor: Love and Thunder)』は2022年2月11日に米国公開予定。

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Source: Total Film, Extra TV

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。