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『トムとジェリー』実写版、当初から人間が主役の想定だった? 『ソニック・ザ・ムービー』脚本家が明かす

トムとジェリー
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実写映画版『トムとジェリー』(2021)は、実写とアニメーションのハイブリッドがコミカルで微笑ましい作品だが、物語の中心となるのはおなじみのトムとジェリーではない。クロエ・グレース・モレッツ演じるケイラなのだ。『トムとジェリー』の映画化にもかかわらず、なぜ本作は人間を主軸に据えたのか?

この疑問について自身の経験を語ったのは、『ソニック・ザ・ムービー』シリーズの脚本家であるパトリック・ケイシーだ。ポッドキャストThe GHZ Podcast」にて、ケイシーらは『トムとジェリー』のプロデューサー陣に呼び出されたエピソードを明かしている。実写とアニメーションを融合させる映画の作り手としての知見を買われたのか、「あなたたちなら『トムとジェリー』の映画をどのように作りますか?」と尋ねられたのだそうだ。

そもそも『トムとジェリー』は、1940年にウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラによって創作された、ネコのトムとネズミのジェリーが巻き起こすドタバタ劇。世界中で愛されるアニメーションシリーズであり、劇場用映画の第1作『トムとジェリーの大冒険』(1992)も純粋なアニメーション作品だった。この前提を踏まえたのだろう、ケイシーはこう答えたという。

「肝心なのは、トムとジェリーが主要キャラクターじゃなければいけないってことですよね。“この映画は何を描いているんですか?”って尋ねられたとしたら、“お互いを殺そうとしているネコとネズミです”というのが答えでなければならない。何人か人間のキャラクターを入れても話を進められると思いますが、それでも人間は主人公にはなり得ないですよね!」

ケイシーの答えに対して、プロデューサー陣は「もういい、帰ってくれ」と冷たい応答だったそう。有益なヒントやアイデアを期待していたのに、手ごたえのある結果が得られずに肩透かしだったということか。ケイシーは「そういうことが訊きたかったわけじゃなかったみたい」と冗談めかしているが、『トムとジェリー』製作サイドにとって悪くない機会だったのかどうか……。

ちなみに、残念ながらチャンスを掴めなかったケイシーは、いまだに実写映画版『トムとジェリー』を観ていないという。

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Source: The GHZ Podcast

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Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。

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