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「批評家は芸術家になる夢を叶えられなかった哀れな人々」ワイティティ監督、『クララとお日さま』不評に反撃

タイカ・ワイティティ
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/48471003532/

カズオ・イシグロの同名小説を映画化した『クララとお日さま』(2026)が批評家から厳しい評価を受けるなか、監督のタイカ・ワイティティが痛烈な反論を繰り広げた。映画評論家に対し「芸術家になる夢をかなえられず、批評家になった哀れな人々」と揶揄し、「時代遅れ」「ゴミ箱行き」とまで言い放っている。

ワイティティは2026年10月31日、自身のInstagramにて、映画批評サイトRotten Tomatoesにおける本作の評価を紹介。本作は批評家の肯定的評価率が28%と低調だったことに対し、観客の評価は78%と大きく上回っていた。なお、この数値は変動しており、11月2日時点のRotten Tomatoesでは批評家26%、観客74%となっている。

https://www.rottentomatoes.com/m/klara_and_the_sun

こうした批評家と観客の反応の違いを受け、ワイティティは「ここ15年近く、自分や同業者に向けられたレビューは読んでいません。でも、観客の声には耳を傾けています」と説明。そのうえで、ハロウィンにちなんだ皮肉を交えて批評家への不満をぶちまけた。

「このハロウィンには、芸術家になる夢をかなえられず、批評家になった哀れな人々のことを思ってあげましょう。『ジョジョ・ラビット』を嫌っていたのも同じ連中です。
どうでもいい存在。世間とズレている。時代遅れ。ゴミ箱行きです」

『クララとお日さま』は、2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロが2021年に発表した小説の映画化作品。AIを搭載した「人工親友(AF)」のクララ(ジェナ・オルテガ)が、病を抱える少女ジョジー(ミア・サリア)の家庭に迎え入れられ、人間の愛や孤独、喪失と向き合っていく物語だ。

しかし、10月のロンドン映画祭で披露されると、批評家からは厳しい声が相次いだ。英The Guardianは、ワイティティ特有のユーモアや奇抜な演出が空回りしていると批判。人工知能や愛、喪失といったテーマについて、実質的なことを何も語っていないと酷評した。原作の繊細で内省的な物語と、ワイティティのコミカルな作風がかみ合っていないという指摘も見られる。

一方、ワイティティが反論のなかで持ち出した『ジョジョ・ラビット』(2019)については、少々事情が異なる。同作はナチス・ドイツを舞台に、少年の視点から戦争と差別を風刺的に描いた作品で、ワイティティにアカデミー賞脚色賞をもたらした。

『ジョジョ・ラビット』にも否定的な批評は存在したものの、Rotten Tomatoesでは批評家81%、観客94%を記録している。つまり、批評家全体が同作を嫌っていたわけではなく、むしろ高い支持を得ていた。今回の『クララとお日さま』は、批評家と観客の評価が大きく分かれた点で事情が異なる。

興行面でも苦戦が続いている。10月23日に全米880館で封切られた本作の初週末興行収入はわずか約70万ドル。1館あたりの平均興収はたった796ドル、日本円換算でおよそ12.5万円という危機的な成績だ。さらに公開2週目の週末には約14万5,000ドルに落ち込んだ。観客の評価が批評家を大きく上回っているとはいえ、劇場での集客には結びついていない状況だ。

映画『クララとお日さま』は2026年10月23日より米国公開中。日本公開日は未発表。

Source:Instagram, TheWrap, Rotten Tomatoes, The Guardian, The Numbers, Sony Pictures,Box Office

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Joe Kishi

THE RIVER編集部。ハリウッド大作からインディー作品、アニメーションまで幅広くカバー。魂を揺さぶる瞬間に出会える記事を届けたい。

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