なぜ?「ワンダーマン」視聴者の半数以上が完走したのに打ち切り ─ シーズン更新のカギ「視聴者維持率」とは

マーベル・シネマティック・ユニバースのドラマシリーズ「ワンダーマン」が、海外ドラマのシーズン更新におけるひとつの基準「視聴者維持率50%」をクリアしていながら、打ち切りとなっていたことがわかった。
米分析会社Luminateの調査では、海外ドラマのシーズン更新の傾向について、二つの興味深い傾向が浮かび上がっている。ひとつは、ストリーミング作品より、テレビ放送作品の方がシーズン更新率が高いこと。2025年に放送局が自社作品を更新した割合は65%だったのに対し、主要動画配信サービスではわずか44%にとどまった。テレビシリーズの未来は配信にあるという従来の見方とは、対照的な結果だ。
打ち切りの多さをめぐってはNetflixが批判の矢面に立つことが多いが、主要配信サービスではここ数年、最も更新率が高いことも判明。2022年から2025年にかけて、米国向け作品の平均約50%、すなわち2本に1本はシーズンを更新しているという。
もうひとつは、「視聴者維持率」をめぐる傾向だ。Luminateは、ストリーミング作品の成否を読み解くうえで「視聴者維持率」が重要な指標になるとし、「50%」をベンチマークとしている。第1話を見た視聴者の少なくとも半数が、そのシーズンの最終話まで完走する必要があるということだ。
ただし、50%を超えれば必ず次のシーズンが保証されるわけではない。ディズニープラス「ワンダーマン」、Prime Videoの「オンコール」、Netflixの「ウォーターフロント」は、いずれもこの基準を上回りながら打ち切りの憂き目にあった。
なかでも異例なのが「ワンダーマン」だ。同作は一度シーズン2への更新が決定していたものの、その4ヵ月後に一転してキャンセルに。今回の調査によれば、配信開始から12週間における視聴者維持率は52%をマークしていたという。
もっとも、更新をめぐる判断基準はサービスによっても大きく異なるようだ。Apple TVはコメディシリーズ「ザ・スタジオ」を、120日間の視聴者維持率が28%だったにもかかわらず、シーズン2へ更新することを決定している。Luminateは、エミー賞を受賞した同作のように高い評価を受けた作品は、比較的低い維持率も許容される傾向にあるとみている。
また同社は、長期的なシリーズ化が期待できる、新たなヒット作を生み出すことが難しくなっているとも指摘。2025年、主要配信サービスの米国の脚本作品(ドラマ・アニメシリーズ)のうち、新たなシリーズの割合は約42%にとどまった。これには、コンテンツが供給過多となった市場からの軌道修正を示している可能性があるという。
同社はこのほか、シーズン間の空白期間と視聴動向の関係についても調査結果を発表した。シーズン間隔が長くなるほど次シーズンの視聴者が減少する傾向がある一方、間隔が短い作品では視聴者が増加する傾向も報告されている。



























