「ワンダーマン」は冗談から生まれたドラマだった? ─ 『シャン・チー』撮影中のおしゃべりが現実に

マーベル・ドラマ「ワンダーマン」は、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)の撮影現場で交わされた、冗談半分のアイデアから始まっていたようだ。共同クリエイター/製作総指揮のデスティン・ダニエル・クレットンが米Deadlineのイベントにて明かした。
「ワンダーマン」は、売れない俳優サイモン・ウィリアムズが、自身のスーパーパワーを隠しながら、劇中映画『ワンダーマン』の主演を目指す異色のハリウッド風刺劇。サイモン役をヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世が演じ、『アイアンマン3』(2013)や『シャン・チー』に登場したトレバー・スラッタリー役としてベン・キングズレーが再登場した。
クレットンによれば、本作の原点は『シャン・チー』撮影中にあったという。同作でキングズレーと仕事をしたクレットンは、トレバーというキャラクターに強く惹かれ、「どの映画でも際立っているのに、まだ十分に使われていない」と感じていたそう。そこでプロデューサーのジョナサン・シュワルツに対し、「『トレバー、ハリウッドへ行く』をやるべきだ」と冗談めかして提案したのだという。
その“冗談の企画”は、やがて少しずつ本気味を帯びていった。シュワルツはアート部門とともに、トレバーがコンバーチブルに乗る、1980年代風の架空ポスターまで作成。クレットンはそれを見て「これは本当にやらなければ」と思ったそうだ。
一方その頃、マーベル・スタジオ内では、ハリウッドを舞台にした「ワンダーマン」の企画も別途進められていた。コミックにおけるワンダーマン/サイモン・ウィリアムズは、俳優としての顔も持つキャラクターであり、映像版ではこの“俳優”という要素を大きく膨らませる構想があったようだ。結果として、「トレバーがハリウッドに行く」企画と、ハリウッドを舞台にした「ワンダーマン」企画が合流。そこに共同クリエイター/ショーランナーのアンドリュー・ゲストが加わり、現在の「ワンダーマン」の形が作られていった。
D23のインタビューでも、ゲストは同様の経緯を説明している。クレットンが『シャン・チー』撮影中、キングズレーとの仕事を大いに楽しみ、トレバー・スラッタリーをハリウッドに戻すシリーズを思いついたこと。その後、マーベル社内で進行していた「ワンダーマン」企画と結びつき、最終的にひとつの作品になったという。
こうして誕生した「ワンダーマン」は、MCU作品でありながら、ヒーローの活躍そのものよりも、俳優業、オーディション、名声、再起といったテーマに焦点を当てた異色作となった。サイモンとトレバーという、キャリアの異なる2人の俳優が出会い、劇中映画『ワンダーマン』の役をめぐって奮闘する物語は、スーパーヒーロー作品でありながら、同時にショービジネスの悲喜劇でもある。
「ワンダーマン」は2026年1月27日にディズニープラスで配信開始。全8話のシーズン1として展開され、批評面でも好評を博した。既報の通り、マーベル・スタジオはシーズン2の製作も正式に決定している。シーズン2でもサイモンとトレバーの物語が引き続き描かれる見込みで、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世とベン・キングズレーの続投も期待される。
「ワンダーマン」シーズン1はディズニープラスにて独占配信中。
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Source:Deadline























