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ジョージ・A・ロメロ幻の未発表映画、『アミューズメント・パーク』予告編 ─ ロメロ史上最も恐ろしい映画

アミューズ・パーク
©2020 George A. Romero Foundation, All Rights Reserved.

『ナイト・ オブ・ザ・リビングデッド』(1968)『ゾンビ』(1978)などのジョージ・A・ロメロ監督が1973年に手がけた幻の未発表映画、『アミューズメント・パーク』が2021年10月15日(金)より日本上陸だ。この度、予告編&場面写真が到着している。

ロメロによる未発表映画が発見されたのは3年前のこと。4Kレストアが行われた本作で主演を務めるのは、『マーティン/呪われた吸血少年』で知られる俳優、リンカーン・マーゼル。主人公の老人が遊園地でごく普通に一日を楽しもうとするも、いつの間にか地獄のような悪夢の渦中にいることに気付くという筋書きだ。アメリカで歳を重ね、苦痛・悲劇・屈辱感と共に混乱や孤独感が増していく老人の姿が描かれる。

『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』と『ゾンビ』の間に製作されたという本作はもともと年齢差別や高齢者虐待について世間の認識を高めるため、ルーテル教会が監督に依頼した企画だった。ところが、出来上がった作品は老人の悲惨な状況が容赦なく描かれており、そのあまりにもストレートにアメリカ社会を捉えた内容に依頼者は慄き、封印されていた。ロメロがある意味での教育映画を撮っていたという希少性。ホラーではないが、ロメロの視点で現実を映し出した貴重な作品だ。

このたび公開された予告編は、「外は楽しくない」と落胆するボロボロの老人(リンカーン・マーゼル)に対し、「自分で確かめる」といい、意気揚々と外出する綺麗な装いの老人(リンカーン・マーゼル)から始まる。若者たちで賑わう「アミューズメント・パーク」。老人は混雑の中での移動は困難で邪魔者扱い。スリにもあう。人々は老人に厳しい。「誰もが行きつく先…」というテロップが、観るものの目を覚まさせる。そして老人は「何も…何も…何もないんだ」と嘆く。老人の後ろ姿をとらえたカットの、その肩の落ち方が凄まじく、観ているこちらもいたたまれなくなる。

本作の公開を記念して、ロメロによる『ザ・クレイジーズ』(1973)『マーティン/呪われた吸血少年』(1977)も劇場公開される。3作品ともに、2021年10月15日より封切りとなる。一般公開に先駆けては、「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクション®2021(カリコレ®2021)」内にて、ロメロの命日である7月16日に3作品が上映される予定だ。

『アミューズメント・パーク』『ザ・クレイジーズ』(1973)『マーティン/呪われた吸血少年』は、2021年7月16日にカリコレ®2021にて、10月15日より新宿シネマカリテにてロードショー。

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THE RIVER編集部THE RIVER

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