『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』スター・ロードやらかした問題、ジェームズ・ガンが見解語る
どうやらガンは、このシーンについて思うところが全くないわけではない様子だ。米The Hollywood Reporterでは、『インフィニティ・ウォー』の製作陣は「僕だったら望まないであろうことをやった」と吐露している。サノスを殴って宇宙を破滅させるようなことは、彼はやらないだろうというのがガンの見解だ。
これは、スター・ロードの人物像に新たな解釈を与えるものである。先ほど、ガンが別のシーンでセリフや展開への提言を行なったと書いたが、それはスター・ロードがガモーラに銃口を向けるシーンのことだ。ガモーラは、もし自分がサノスに捕らえられたら自分を殺して欲しいと頼んでいた。不幸にもこの展開になると、スター・ロードはしばらく逡巡した後に銃の引き金を引く。しかし銃口からはシャボン玉が飛び出し、サノスはガモーラを連れていく、というシーンがある。
実は、元の脚本でスター・ロードは引き金を引けないことになっていた。これに対してガンは、スター・ロードだったらガモーラとの約束を果たすため、例えそれが恋人の生命を自ら完結させる行為であったとしても、引き金を引くだろうと考え、展開を変更させていたのだ。
つまり、ガンの考えるスター・ロードとは、(1)ガモーラが自分を殺せと頼めば、それを甘んじて引き受ける男でなのであり、(2)一時の個人的な感情に任せてサノスを殴るのではなく、ヒーローとしての責務を全うしようとする男だということである。
ガンの解釈も、『インフィニティ・ウォー』で描かれた解釈も、どちらも非常に説得力があるもので、キャラクターの人物像に深みを与えるものだ。ガン監督によるシリーズ最終作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』では、スター・ロードたちのドラマはどう動き、そしてどう終わるのか。彼らの戦いは、泣いても笑っても、次で最後だ。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』は2023年5月3日公開。
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Source:The Hollywood Reporter