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【ネタバレ特集】『アベンジャーズ/エンドゲーム』キャプテン・アメリカのスーツ変遷を振り返る ─ クリス・エヴァンスのお気に入りは『ウィンター・ソルジャー』版

アベンジャーズ/エンドゲーム
ⒸMarvel Studios 2019 Supplied by LMK 写真:ゼータイメージ

「アメリカのケツ」まで

『アベンジャーズ/エンドゲーム』では、サノスによって破壊されたインフィニティ・ストーンを再び入手すべく、アベンジャーズがピム粒子を使って過去の各時代への「タイム泥棒」作戦を決行する。キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースとアイアンマン/トニー・スターク、アントマン/スコット・ラング、ハルク/ブルース・バナーは2012年のニューヨークへ飛び、スペース・ストーンとマインド・ストーン、タイム・ストーンの回収に挑む。

スティーブ、トニー、スコットは、チタウリ軍との激戦を終えた直後のアベンジャーズ・タワーに侵入。ロキを捕らえた直後の2012年のキャプテン・アメリカを見て、スコット・ラングは「アメリカのケツって感じ」と揶揄する。

スティーブはヒドラ党員を偽称して、シールド(ヒドラ)のラムロウたちからマインド・ストーンを上手く回収。直後、2012年の自分自身が「ロキを見つけた」と襲いかかってくる。過去の自分自身と対決する『エンドゲーム』スティーブが2012年以降に会得していたのは、その機転だ。首を締め上げられた『エンドゲーム』スティーブは、2012年当時の自分が知るはずもない「バッキーは生きている」という情報を囁き、隙を突いて気絶させる。横たわる過去の自分のヒップを見下ろして、「アメリカのケツか」とだけ呟くのだった。

ニューヨーク決戦当時の大暴れっぷりを恥ずかしそうに見る”スマート・ハルク“と並んで、「アメリカのケツ」は『エンドゲーム』で印象的なコメディ・シーンとなった。このセリフはどのようにして考案されたのだろうか。米Los Angeles Timesに脚本家のクリストファー・マルクス&スティーブン・マクフィーリーが語ったところによると、「ちょっとした小ネタでした」程度のものだったという。マクフィーリーは言う。

クリス・エヴァンスは『アベンジャーズ』第1作のコスチュームにずっと慣れなかったということで。バックミラー(過去)の姿を見て、当時の自分がどんなだったかを見て見ぬふりをする。(”アメリカのケツ”は)そこから出てきましたね。」

マルクスは、クリス・エヴァンスが『アベンジャーズ』第1作のコスチュームに慣れなかった理由について、「色だと思います。それと、耳が覆われているところですかね」と説明。『アベンジャーズ』のキャップのコスチュームは、コミックのデザインをそのまま投影した赤・青・白の星条旗カラーが特徴的で、頭部はフードとヘルメットを二重着用するデザインになっていた。マルクスによれば、フードの耳部分がちょっとした問題だったようだ。

「頭を被ると、耳のところがレイア姫みたいに膨らんじゃって、全体的に残念な感じになっちゃう。普通、コスチュームのデザインに耳が重要だなんて考えないじゃないですか。でも耳が全てのバランスを取っていて、間抜けな見た目になっちゃうんですよね。」

クリス・エヴァンスとキャップのスーツの長い付き合い

それでは、実際の着用者であるクリス・エヴァンスはキャプテン・アメリカのスーツをどう思っていたのだろう。ここでは、各時代のクリス・エヴァンスによる複数の発言を元に、その愛着の歴史を振り返ってみよう。まずはキャプテン・アメリカが実写初登場を果たした『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)当時、2010年の英Empireで語られたところによると…。

「素晴らしいコスチュームですよ。赤と白と青のピチピチのコスチュームなんて、ケバケバしくて”やり過ぎ”になりそうなところ、しかも映画の舞台が40~50年代ってことも考えると、すごくカッコよく作られていると思います。」

第二次世界大戦時を舞台とした『ザ・ファースト・アベンジャー』のスーツは、戦場に赴く軍服としての機能を果たしたこともあり、耐久性が重視された実践的なデザインとなっていた。『アベンジャーズ』の頃になると、エヴァンスは「最初のスーツは面倒だった」と振り返るようになる。「分厚くてかさばるので、戦闘シーンの撮影では大変でしたよ。

『アベンジャーズ』のスーツでは、「もう少し体系にフィットしたものになった」とエヴァンス。(フィット感のあまり、後にスコットに「アメリカのケツ」とからかわれるわけだが。)2011年当時はこのスーツについて、「可動域が素晴らしいから、戦闘シーンもやりやすい」と喜んでいた。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。