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『ブラックパンサー』は変革の始まり、そして『キャプテン・マーベル』へ ─ マーベル社長「多様性が優れたストーリーを作る」宣言

ブラックパンサー
Black Panther (2018) Directed by Ryan Coogler ©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータイメージ

2019年、始動から12年目を迎えるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)には“ふたつの節目”が待っている。ひとつはこれまでに展開されてきた物語に区切りをつける『アベンジャーズ/エンドゲーム』(4月26日公開)。そしてもうひとつは、MCU史上初の女性ヒーロー単独映画『キャプテン・マーベル』である。

マーベル・スタジオは、MCU史上初の黒人ヒーロー映画となった『ブラックパンサー』(2018)で米国にて社会現象というべきメガヒットを記録。今、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は『ブラックパンサー』『キャプテン・マーベル』を通じて多様性を表現する意図を語っている。そこにはポリティカル・コレクトネスの問題を超えて、自身の映画づくりを支える信念があった。

東京コミコン2018 キャプテン・マーベル
©THE RIVER

「多様性」と「優れた物語」の関係

「時々、直接聞かれるんですよ。多様性の表現という意味で、『ブラックパンサー』は一度きりの作品なのかって」

Varietyのポッドキャストに登場したケヴィン社長は、あっけらかんとこう話している。いまやハリウッド屈指のプロデューサーとなった人物にこんな質問をぶつけるとは、なかなかの怖いもの知らずではないか。むろんケヴィン社長は「答えは“ノー”です」と断言した。

「(『ブラックパンサー』は)始まりなんです。あの映画が成功したことは、私たちが目指そうとした方向性を後押しすることにもなりました。みなさんの捉え方、あの映画での経験は素晴らしいものだったんです。関わっている全員が、私や、あなたのように同じ見た目だったなら、明らかに『ブラックパンサー』はああいった作品にはならなかったでしょう。それはすべての作品に当てはまることなんです。」

ここで社長が述べている考え方は、“主人公が黒人ヒーローだから黒人の監督が撮るべき”、“主人公が女性だから女性監督が撮るべき”といった素直な発想とは一線を画している。そもそも多様なクリエイターが関わることで、いかなる映画もさらに厚みを増すという考えなのだ。

Kevin Feige / ケヴィン・ファイギ
ケヴィン・ファイギ Photo by Gage Skidmore https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kevin_Feige_(28556369381).jpg

しかしながらマーベル・スタジオは、女性ヒーロー映画という点で“ライバル”のDC映画ユニバースに遅れを取ったことも事実だろう。『ワンダーウーマン』(2017)の大ヒットから『キャプテン・マーベル』までは1年半という期間を要したのだ。このことについて、ケヴィン社長は真摯に受け止めているようでもある。

「マーベル・スタジオが成長するにつれて、我々のクリエイティブ・チームも成長してきました。今では男女の比率がほぼ半分ずつで、今後は最新のチームメンバーにもとづいて女性がさらに増えていくかもしれません。私たちは成長しようとしていますし、そうなるよう社内に求めています。私の周囲で働く人々は、ほぼ全員がこの場所で長年仕事をしているんです。それゆえ今後の映画をプロデュースする人間でも、今まさに映画を作っている方々に勝てない人物はいます。」

ちなみにケヴィン社長は、多様性を表現する理由、社内環境を整える理由について、あくまでフィルムメーカーとしてこのような持論を語ってもいる。

「多様な声を取り入れれば、より優れていて、よりエキサイティングで、より驚きのあるストーリーを作ることができます。そのことは明らかですよ。」

その最新形は、2019年3月15日(金)公開の映画『キャプテン・マーベル』で確かめることにしよう。

『キャプテン・マーベル』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/captain-marvel.html

Sources: Variety, ComicBook.com

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条として、海外の映画・ドラマを中心に執筆しています。日本国内の映画やアニメーションも大好きです。国内舞台作品の執筆・創作にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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