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マーベル・スタジオには時間軸を管理する役職が存在する

ロキ
(C)2021 Marvel

マーベル・スタジオには、複雑に絡み合ったマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のタイムラインを管理する役職が存在するらしい。ドラマ「シー・ハルク:ザ・アトーニー」の脚本・製作総指揮を務めるジェシカ・ガオが明かした。

The Directは、本作の配信前に実施されたと思しき取材の中で、「シー・ハルク」の時系列がMCUのどこに位置するのかをガオに質問。この疑問については、以前『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)の直後だと答えられており、また当時の予告通り、第2話『超人の訴訟』では具体的な時系列が明かされている。ただしガオは、この取材の中でマーベル・スタジオの“時系列警察”の存在に言及していたのだ。

「(時系列は)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)の後です。マーベルにはすべての時系列を遡る仕事の人がいるので、どのタイミングにするべきか、彼と一緒にたくさん確認しました。」

MCUにはタイムラインが乱れないよう、厳密に時系列を管理する役職がいる……さながら「ロキ」(2021-)に登場する時間変異取締局(TVA)である。もしくは時系列の衝突を阻止すべく、あらゆる物事を管理する“在り続ける者”が存在する、というべきだろうか。ともあれ、映画・ドラマ・アニメと多方向に伸びていくMCUに混乱が起こらないよう、時系列を監修する人物がいるというわけだ。

時系列の管理については、2017年6月、『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)を手がけた当時のジョン・ワッツ監督が「(時系列を示す)巻物が実際に存在する」とも話していた。同作のプロデューサーを務めたエリック・ハウザーマン・キャロルは、マーベル・スタジオでの最初の仕事として時系列の確認を担当していたそう。ワッツいわく、その巻物の長さは「歴史が始まって以来」。まさに想像を絶するほど巨大な世界観である。

ちなみにマーベル・スタジオといえば、徹底した秘密主義を守るためのスタッフ、いわば“ネタバレ警察”が存在することも語られていた。こちらは“時系列警察”とも言えるわけで、いかに厳重な体制でプロジェクトが進められているかがうかがえる。

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Sources: The Direct, Entertainment Weekly

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。