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マーティン・スコセッシ、『パラサイト 半地下の家族』ポン・ジュノ監督に祝福の手紙 ─ 「よくやった、少しだけ休みなさい」

[左]Photo by Republic of Korea https://www.flickr.com/photos/koreanet/47949893048/ [右]Photo by THE RIVER Remixed by THE RIVER

『アイリッシュマン』(2019)の巨匠マーティン・スコセッシが、『パラサイト 半地下の家族』ポン・ジュノ監督にお祝いの手紙を送っていたことがわかった。米IndieWire、韓Sports Seoulなど複数のメディアが報じている。

2020年2月19日、韓国・ソウル市内のホテルで行われた凱旋記者会見で、ポン監督は「今朝方、マーティン・スコセッシ監督から手紙が来まして、数時間ほど前に読みました」と嬉しそうに話し始めている。「内容については私個人に届いたものなので明かせません」と詳細は伏せつつも、「手紙の最後には“君は良くやったよ。少しだけ休みなさい、でも私ふくめ多くの人が新作に期待しているから少しだけね”と書かれていました。とても感謝していますし、嬉しいです」と照れた表情を浮かべた。

去る第92回アカデミー賞授賞式にて、ポン監督は監督賞を受賞した折、スコセッシ監督の言葉「最も個人的なことが最もクリエイティブなことである(The most personal is the most creative)」を引用しつつ、「私はマーティン・スコセッシ監督の作品を見て映画を勉強していました。一緒にノミネートされただけでも光栄なのに、こんな賞までいただけるとは思ってもいなかった」とスピーチし、会場を大いに沸かせた。今回の手紙とスピーチから、二人がお互いをどれだけ尊敬し合っているかが窺える。

そんな中、2020年2月20日に、ドナルド・トランプ米大統領はコロラド州で行われた集会で『パラサイト』がアカデミー賞に輝いたことに不満を寄せていた。「今年のアカデミー賞受賞作は……韓国映画。これは一体何事ですか」と語り始め、「韓国とは十分過ぎるほどの貿易問題を抱えています。その上、彼らに今年最高の映画という栄誉を与えるのか?そこまで良かったのか?私には全くわからない」と発言したのである。これに対して『パラサイト』の米国配給権を持つ配給会社NEONはTwitterで「わかった、字幕を読めないんだ」と応じた。

なお、本作のアメリカでの興行収入はオスカー受賞を受けて更に上昇しており、IMAX版やモノクロ版の公開も控えている。どうやら、トランプの苦言を物ともしない『パラサイト』旋風が巻き起こっているようだ。

『パラサイト 半地下の家族』は、一家全員が失業中で半地下の住宅で暮らす極貧一家と、IT企業を経営する超裕福な一家の人生が交錯し、事態が予想もつかない方向に展開していく物語。アカデミー賞では非英語作品として史上初の作品賞受賞の快挙を果たし、カンヌ国際映画祭では最高賞のパルム・ドールを韓国映画として初めて受賞している。

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Sources: Sports Seoul, IndieWire, The Hollywood Reporter, Variety(1, 2

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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