「スパイダー・ノワール」実現は『ゴジラ-1.0』のおかげだった ─ ニコラス・ケイジ証言「スタジオはモノクロ作品を恐れていた」

ニコラス・ケイジ主演の実写ドラマ「スパイダー・ノワール」が実現したのは、日本映画『ゴジラ-1.0』(2023)のおかげだった──。主演・製作としてプロジェクトに尽力したケイジ本人が語った。
米テキサス州ダラスのFan Expoに登壇したケイジは、「スパイダー・ノワール」の実現が危ぶまれていたこと、その原因がモノクロ映像にあったことを明かしている。
「この番組は実現しないところだったんです。モノクロだということを恐れていたし、とても不安がっていた。そこで、ジェニファー・サルケ(Amazon Studios代表)に電話をかけたことを覚えています。なんとかして企画を前進させなければ、絶対に実現させるんだ、と思っていました。」
そのときヒントになったのが、『ゴジラ-1.0』だった。カラーでの公開後、モノクロ映像版の『ゴジラ-1.0/C』が製作され、アメリカの映画館でも上映されていたのだ。
「ちょうどその頃、『ゴジラ-1.0』を観たばかりだったので、(カラーとモノクロの)両方でできるのではないかと提案しました。結果として、視聴者が自由に切り替えられるようになったのはすごく良かったし、テレビ番組としても、画期的で面白いものになったと思っています。」
2026年2月、ケイジは米Esquireでも『ゴジラ-1.0』について語っていた。いわく、「最初はカラーで観て感動し、次にモノクロ版で観たときはさらに圧倒されました。まるで昔のゴジラ映画のようだった」。ふたつの体験を味わえたことを「とても素晴らしいと思った」と語っている。
もっとも、ハリウッドでは『LOGAN/ローガン』(2016)や『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)がカラーとモノクロの2バージョンで展開されており、スーパーヒーロー作品にもこうした前例はある。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)でもモノクロ版が製作されていたほか、さかのぼれば『シン・シティ』シリーズはモノクロとカラーの融合だったから、過去にも同様の取り組みはあったわけだが、ストリーミング時代のドラマシリーズはまた事情が異なるのだろう。
いずれにせよ、ケイジが『ゴジラ-1.0』を観ていなければ、もっと言えば、同作が第96回アカデミー賞の視覚効果賞を含むグローバルな評価と認知を得ていなければ、「スパイダー・ノワール」がこのような形で実現することはなかったかもしれないのだ。
しかも「スパイダー・ノワール」は、第78回(2026年)のクリエイティブ・アーツ・エミー賞において、コメディ番組部門の視覚効果賞・撮影賞を含む5部門を受賞。その映像的な作り込みが同じく高く評価されたのだ。あらゆる成功作には、思いがけず奇跡的なめぐり合わせがあるということだろうか。
「スパイダー・ノワール」はPrime Videoにて全8話配信中。






























