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マーベルの伝説スタン・リー、AIで「復活」 ─ クローン音声で書籍読み上げ、ファンからは反発も

スタン・リー
©THE RIVER

マーベル・コミックのレジェンド、故スタン・リーの声と肖像が、AI技術によって新たに活用されることになった。AI音声企業ElevenLabsが、Stan Lee Universeとの提携を発表した。

ElevenLabsによると、スタン・リーの音声は同社の「Iconic Marketplace」および朗読アプリ「Eleven Reader」で利用可能となる。プロフェッショナルな録音素材をもとに、リーならではの温かみやユーモア、エネルギーを再現した音声クローンだという。

今回の提携にあわせて、Eleven Reader内では「Stan Lee Book of the Month Club」も開始される。これは、リーが愛した文学作品を毎月取り上げる企画で、6月の第1弾にはロバート・ルイス・スティーヴンソンの『宝島』が選ばれた。ElevenLabsは今後12か月にわたり、同企画で扱うパブリックドメイン作品を毎月1作ずつ追加していくとしている。

また、スタン・リーの肖像もElevenLabsの「Creative Templates」で展開される予定。ユーザーは期間限定で、かつてマーベル映画で親しまれたリーのカメオ出演を思わせるようなビジュアルコンテンツを生成できるという。ただし、個人利用・非商用利用に限定され、商用利用にはStan Lee Universe側を通じたライセンスが必要になる。

Stan Lee Universeのチャズ・レイニーは声明で、「スタンはいつも、コミックのページであれ、コンベンションであれ、短いスクリーン上のカメオであれ、ファンのいる場所に会いに行くことを信じていました」と説明。「ファンはいつも、彼のコミックを読むとき、スタンの声が聞こえると話してくれました。ElevenLabsのおかげで、それを現実にできるのです」と述べている。

一方で、この取り組みには一部ファンから否定的な声も上がっている。SNS上では、亡くなった人物の声や肖像をAIで再利用することに対し、「見ていてつらい」「企業によるデジタルな操り人形のようだ」「次はコミコンでスタン・リーのロボットがサイン会をするのでは」といった趣旨の反発も見られる。リーは晩年、周囲による搾取や高齢者虐待疑惑が報じられたこともあり、今回のAI活用をその延長線上で受け止める声もあるようだ。

スタン・リーは、ジャック・カービーやスティーブ・ディッコらとともに、スパイダーマン、X-MEN、ファンタスティック・フォー、アイアンマン、ソー、ハルクなど、マーベルを代表する数々のキャラクターを世に送り出した人物。マーベル映画におけるカメオ出演でも広く親しまれ、2018年に95歳で逝去した。

故人をAIで“復活”させる試みは、近年エンタメ界で増えつつある。先日も、2025年に亡くなったヴァル・キルマーが、生前に出演予定だった映画『As Deep as the Grave(原題)』にAI技術を用いて登場することが報じられた。キルマーの場合は、遺族および遺産管理団体の許可を得たうえで、生前に本人が望んでいた役柄を完成させるための活用だったと説明されている。

技術の進歩により、亡くなった人物の声や姿を再現することは現実的になっている。一方で、それが“本人の意思”や“敬意”とどのように結びつくのか、またファンがどこまで受け入れられるのかは、今後も議論が続きそうだ。

Source:ElevenLabs,Comicbook.com

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Joe Kishi

THE RIVER編集部。ハリウッド大作からインディー作品、アニメーションまで幅広くカバー。魂を揺さぶる瞬間に出会える記事を届けたい。

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