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タランティーノがハリウッド批判「味気ないソーセージ工場」「最近では、本を読んでいるほうがいい」

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』ジャパンプレミア レッドカーペット
© THE RIVER

筋金入りのシネフィルとして知られるクエンティン・タランティーノが、現在のハリウッド映画に対して、かなり辛辣な見解を示している。

英Sight & Soundに寄稿した文章で、タランティーノは近年の映画について「新作映画を楽しむことはほとんど不可能」だと述べた。理由として挙げたのは、作品の欠点や不自然さ、観客への迎合、ミスキャスト、あるいは「単に馬鹿げたもの」など。これらが、かつてハリウッドと呼ばれていた「味気ないソーセージ工場」から出てくる新作映画の多くを台無しにしている、というのだ。

タランティーノの言葉はさらに手厳しい。「最近では、“映画とは何か”という概念そのものが、寛容さよりも軽蔑を呼び起こすものになっている」とも記している。かつて映画を何よりも愛してきた作家らしからぬ、というより、映画を愛してきたからこその失望と言うべきか。

タランティーノは、かつて1980年代を“ハリウッド史上最悪の時代”のひとつと評したことがある。ところが現在の映画状況について、「この6年間の映画と比べれば、80年代が30年代のように見える」とまで表現した。映画史への敬意と偏愛を隠さないタランティーノにとって、近年の作品群はそれほどまでに物足りないものとして映っているらしい。

もちろんべての近年作を否定しているわけではない。タランティーノは、スティーブン・スピルバーグ監督の『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021)や、ケヴィン・コスナー監督・主演の『ホライゾン:アメリカン・サーガ』を、好きだった近年作として挙げている。ただし、それでもかつて自分が映画に夢中になったような感覚、「映画をあらゆる芸術の中で最も愛する理由」になっていたような体験には、なかなか出会えていなかったという。「最近では、本を読んでいるほうがいい」とタランティーノは記している。

そんな中で、例外的にタランティーノをつかんだ作品がある。ジョー・カーナハン監督によるNetflix映画『Rip/リップ』だ。マット・デイモンとベン・アフレックが共演する犯罪スリラーで、マイアミの警官チームが大金を発見したことから、仲間同士の信頼が崩れていく物語が描かれる。

Rip/リップ
RIP. (L to R) Matt Damon as Lieutenant Dane Dumars and Ben Affleck as Det Sergeant JD Byrne in RIP. Cr. Claire Folger/Netflix © 2024.

タランティーノは本作について、「全編にわたって自分をつかんで離さなかった」と絶賛。新鮮な設定を持つスリリングな警官映画であり、その面白さを巧みに届けていると評価している。カーナハンの演出、キャスト、撮影のルックを含めて「全てが自分にハマった」とし、特にカーナハンとマイケル・マクグレイルによる脚本を「この見事な集合体における真の強力な要素」と称えた。

タランティーノといえば、近年も俳優や作品に対する率直すぎる発言でたびたび話題を呼んでいる。ポール・ダノやマシュー・リラードに対する発言、『ハンガー・ゲーム』と『バトル・ロワイアル』をめぐる発言など、その歯に衣着せぬ物言いは賛否を呼んできた。今回の発言も、現代映画全体へのかなり厳しい批判として受け止められるだろう。

タランティーノ自身の次回作としては、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)に登場したクリフ・ブースを主人公とする『The Adventures of Cliff Booth(原題)』が控えている。監督はデヴィッド・フィンチャーが務め、タランティーノは脚本とプロデュースを担当する。現代ハリウッドにこれほど厳しい視線を向ける作家が、自らの脚本でどのような“映画”を送り出すのか。そこにも注目が集まりそうだ。

Source:Variety,People

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Joe Kishi

THE RIVER編集部。ハリウッド大作からインディー作品、アニメーションまで幅広くカバー。魂を揺さぶる瞬間に出会える記事を届けたい。

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