『ダークタワー』、Amazonがドラマ化権獲得 ─ スティーブン・キング「リブートする」映画主演イドリス・エルバ「ドラマ化知らなかった」

スティーブン・キング原作小説『ダークタワー』のドラマ版が、米Amazonのテレビ・映画制作・配信部門アマゾン・スタジオにて製作される予定であることがわかった。Deadlineの報道により明らかになった。

『ダークタワー』は、2017年(日本公開2018年)にイドリス・エルバ主演、マシュー・マコノヒーをヴィランのウォルター役に迎え実写化。原作者スティーブン・キングにとって同作は30年もの歳月をかけ書き上げたライフワークのような一作だ。本作のプロダクション・ノートにて、キング氏自身は「僕のキャリア全体にまたがる作品」「(自身の作品の)多くのキャラクターが中間世界という『ダークタワー』の中に世界に関わっていることに気づき始めた。この『ダークタワー』がいつの間にか、僕が書く架空の世界の軸となっていた。他の小説のキャラクターが『ダークタワー』に登場することもあるし、その逆もある」と紹介している。


重要作『ダークタワー』であるが、全米での映画評判は振るわずじまい。およそ6,000万ドルの製作費に対し、米国内興行収入は5,070万ドルにとどまった(全世界合計は1億1,317万ドル)。

ダークタワー

『ダークタワー』より

スティーブン・キングが語る『ダークタワー』映画版

米メディアでは、「何故失敗したか」との単刀直入な質問がキング氏自身に度々向けられている。2017年12月22日付のEntertainment Weeklyの記者の質問は特に辛辣で、「私はこの作品の記事をたくさん書きましたが、どうも好きじゃなかった」と告白されている。これに対してキング氏は、製作関係者に敬意を払うため、慎重に発言したいと前置きした上で、『ダークタワー』映画化の「真の問題」について、次のように述べている。

「スタジオの要望だったと思うのですが、PG-13指定の手堅い映画にしたいということだったんですね。観客の年齢層をしっかり狙おうということで、12歳以上がターゲットになった。そうですね、12歳から35歳が狙いでした。だからPG-13指定になったわけですが、そうすると作品のタフな部分の多くが失われた印象でした。無難な感じになってしまって、見慣れたものになってしまった。

「PG-13指定」の指摘については、2017年10月19日付のVultureによるインタビューでも同様だ。こちらでは、「3,000ページにも及ぶ長編小説を映画に収めるのは大きな挑戦でした。また、バイオレンス色強い原作をPG-13指定の中で描写することも挑戦でした」と振り返っている。なお、脚本を手掛けたアキヴァ・ゴールズマンについては「原作の本質を汲み取り、素晴らしい仕事をしてくれました。とても良い作品になったと思います」と語った一方で、この度のドラマ版についてはそれらを切り離し、「完全なるリブートとなるつもり」とも明かしている。

 

キング氏自身が「完全なるリブート」と称している以上、映画に登場したキャストらはドラマには登場しないものと思われるだろう。それを裏付けるように、映画で主人公ローランドを演じたイドリス・エルバは2017年12月21日付のScreenCrushでドラマの話題を振られた際には「えっと、スティーブンがそう仰っているなんて、知らなかったのですが」と戸惑ったような発言をしている。

「知りません。そんな話があるんですか。調べてみないと。どんな話か把握していません。残念ながら、私のところにお話が来ていないみたいですね。」

この度『ダークタワー』ドラマ化権を獲得したAmazonではNetflixやHuluと競合する独自のストリーミング配信サービスへの注力を見せており、この度の『ダークタワー』ほか、『ロード・オブ・ザ・リング』ドラマ化や、ファンタジー小説『時の車輪(The Wheel of Time)』、ポストサイバーパンク小説『スノウ・クラッシュ(Snow Crash)』を始めとする多数の作品の映像化権を獲得している。著名なSF作家として知られるイアン・バンクスの作品たちの映像化権も、アマゾン・スタジオに渡ったということである。

なお、作品の名誉のため是非加えさせていただきたいが、イドリス・エルバ主演映画『ダークタワー』は優れた作品だ。少年の目線から「謎のカッコいい兄貴」ローランドに連れられて、異世界を巡るめくるめく冒険が描かれる。ウェスタン、時代劇、SFと世界観が次々切り替わる様は爽快。キング氏の発言通り、他作品とのクロスオーバーも見られるなど、見所満載だ。

Source:http://deadline.com/2018/02/culture-book-series-consider-phlebas-tv-series-adaptation-amazon-by-plan-b-dennis-kelly-1202297416/
http://ew.com/books/2017/12/22/stephen-king-pennywise-it-entertainers-of-the-year/
http://www.vulture.com/2017/10/stephen-king-on-movies-geralds-game-1922-it-the-stand.html
http://screencrush.com/idris-elba-mollys-game-interview/

About the author

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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