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【ネタバレ】「THE LAST OF US」第4話、キャスリンとは何者か? ─ ドラマオリジナルのキャラを出すメリットとデメリット

The Last of Us
Photograph by Liane Hentscher/HBO

この記事には、「THE LAST OF US」第4話『この手につかまって』のネタバレが含まれています。

The Last of Us
Photograph by Liane Hentscher/HBO

第4話で、カンザスシティーに到着したジョエル(ペドロ・パスカル)とエリー(ベラ・ラムジー)。待ち伏せしていた反乱軍の男たちに襲われ、銃撃戦に巻き込まれる。一方、この反乱軍を率いるキャスリンは、銃を片手に医者の男を尋問していた。彼女の兄がFEDRA(軍)の独房で殺されたらしく、兄を密告した人物・ヘンリーの居場所を問い詰める。

原作ゲームでは、舞台はカンザスシティーではなくピッツバーグ、ジョエルたちの敵はFEDRAから支配権を奪った反乱軍ではなく、“ハンター”と呼ばれる好戦的な集団であった。これらの変更に加え、ドラマ版にはオリジナルキャラのキャスリン&その右腕・ペリーが登場。ちなみにペリー役は、原作ゲームのトミー役声優ジェフリー・ピアースが演じている。

HBOによれば、キャスリンは「カンザスシティにおける革命運動の冷酷なリーダー」。しかし、本作の監督・脚本・製作総指揮を務めるクレイグ・メイジンいわく、キャスリンは「ひどいことをしている」が、「(人々が)彼女のことを知ればその理由を理解し、実際に同情してしまう」ような人物だという。

そんな複雑な側面をもつキャラクターを務めるリンスキーは、当初メイジンからキャスリン役のオファーを受けたとき、あまり乗り気でなかったようだ。「メイジンから“気を悪くしないでほしいのですか、戦犯を演じてくれませんか”と言われ、私は“うーん、どうでしょう”と答えました。すると彼は、“そう反応すると思いました。もう少し詳しくお話しします”と言ったんです」。

リンスキーによると、第4話で言及されたキャスリンの兄は、彼女にとって「基本的にジーザス」のような存在。そんな兄が殺されたことで、彼女の内面は変わってしまったようだ。「(キャスリンは)ジーザスのきょうだいとして育ち、“私の兄は最も偉大な人間で、世界を導いている。兄は最も親切でまともな人間。自分はそれほど偉大じゃないけど、この人がそばにいるから、何者にもなる必要はないんだ”と考えていました。なのに誰かに(兄が)残酷に殺されてしまい、とても不公平だと感じています。そうなった後、彼女は一体どんな人物になるのでしょうか?」

こうしたバックストーリーを知ったことで、リンスキーは一気にキャスリン役に興味をひかれたという。

「(キャスリンは)自分が望んでもいない、得意だとも思っていない役割を押しつけられます。私が非常に興味深いと思ったのは、彼女はその役割を引き受けたとき、悪事をはたらくことに対してあまり罪悪感を抱いていなかったことです。一方、兄は罪悪感を抱いていました。彼女は自分が冷酷な人間であることを知り、兄にできないような方法で、とても有能な人間になることができたのです。」

なお、キャスリンが原作ゲームに登場しないことは、リンスキーにとってプラスの要素でもあり、新たなチャレンジでもあったようだ。原作ファンから「イメージと違う!」などと言われる心配がないのは「ありがたかった」とする一方で、自身は「また違う意味で吟味されると思う」と指摘。「“こんなキャラは必要ない。このキャラがいなくてもゲームはできた。なぜ彼女がここにいるんだ?”と言われるでしょう。でも、いずれも私の責任ではありません。私はクレイグ(・メイジン)を信頼しているからこそ、ここにいるのです。そしてニール(・ドラックマン)もとても優秀です。彼はこのゲームのクリエイターであり、すべての決断に賛同してくれています」。

ちなみに、ドラマ「イエロージャケッツ」(2021-)でも“極限状態で冷酷になる”キャラクターを好演しているリンスキー。彼女なら、この憎まれつつも愛されるキャスリンという複雑なキャラクターを巧みに演じてくれることだろう。

HBOオリジナル「THE LAST OF US」は、U-NEXTにて独占配信中。第5話は、2月11日(土)午前11時より配信予定(第6話以降は、毎週月曜に新エピソードを配信)。

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    Writer

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    KyokoKyoko Okajima

    アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。