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舞台恐怖症ハンス・ジマー、親友からしつこく説得されて人前で演奏するように ─ 「隠れずに演奏すべき」「それはできない、怖いから」

Raph_PH https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hans_Zimmer_in_2022.jpg

2026年9月16日、二度目となる来日公演『Hans Zimmer Live – The Next Level -』を成功させた映画音楽界の巨匠、ハンス・ジマー。数々の名曲を引っ提げ、一流のミュージシャンたちを携えたバンドと共に世界中のアリーナでパフォーマンスを行うジマーだが、実はもともと「舞台恐怖症」の持ち主で、人前での演奏を恐れていたという。しかしある時、ファレル・ウィリアムスとザ・スミスのジョニー・マーに半ば強引に説得されたことにより、本格的にライブへ踏み出すことになった。米Colliderで話している。

今から約12年前、マーとファレルはジマーを座らせ、映画館のスクリーンの後ろに隠れ続けるのではなく、観客の目を見て、リアルタイムで音楽を届けるべきだと説いたという。しかしジマーは舞台恐怖症を理由に拒み、1時間ほど抵抗を続けた。

そこで最後の一押しを仕掛けたのがファレルだった。「ジョニーが部屋を出ていったあと、ファレルが身を乗り出して、『今年グラミーに出るんだ。僕のためにギターを弾きに来ない?』と言ったんです。そんなの、断るのはバカだけでしょう」。

ジマーは2015年のグラミー賞でファレルのステージにギタリストとして参加。そこで実際に人前で演奏する楽しさを味わい、ついに自身のライブにも乗り出すことを決めた。ただし、条件があった。

「ジョニーとファレルのところへ行って、『分かった、やるよ。でも最初の数公演は、君たちが僕の子守に来てくれ』と言いました。だから最初の何公演かは、ファレルとジョニーが一緒にいてくれたんです。」

これは文字通り実現した。ジマーは以前、英MusicTechのインタビューで、初期のロンドン・ハマースミス公演にはマーが2夜とも出演し、ファレルも一夜に参加したと明かしている。当時のジマーには「本当に客が来るのか」という恐怖さえあったという。

それから約10年。現在のジマーのライブバンドには、ジョニーの息子でギタリストのナイル・マーも参加している。父ジョニーがジマーをステージへ引っ張り出し、現在はその息子が世界ツアーを共にしているという縁も続いている。

2025年にも、初の日本公演を前に行ったTHE RIVER単独インタビューで、本番直前にどんな気持ちになるのかを尋ねると、ジマーはこう表現していた。

「かつては、とても恐怖を感じていました。今は、自分が最も高い飛び込み台に立っているところを想像します。そして、飛び込み台の淵に向かって歩いていき、舞台の幕が上がったら、そこからただ飛び降りる。飛び降りて、どうか私を受け止めてくれと観客に願う。」

それから1年後。2026年のTHE RIVER単独インタビューで、前年より少しは安心して飛び込めるようになったのかと尋ねたところ、「今度は頭に銃を突きつけられている感じです(笑)」と強烈なプレッシャーを今も感じていると吐露。でも、不安を感じなくなってしまったら駄目だと思うんです。不安があるからアドレナリンが出る。それがなかったら、良いショーはできないと思います。」

このときジマーは、昔からの友人であるアデルとの会話も思い出している。

「彼女は『ステージに出る前に吐かなかったら、その日は良いショーにならない』って言っていましたよ(笑)。」

今では圧巻のライブパフォーマンスで、日本を含む世界中の観客を楽しませる巨匠。しかし、あの時ファレルとマーからの説得を受けていなかったら、彼のコンサートは一度も実現していなかったのかもしれない。

Source:Collider, MusicTech

Writer

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有馬 ノア

洋画好きが高じて、海外エンタメを中心に執筆。ロサンゼルス在住経験を活かし、映画・ドラマのニュースやカルチャーにまつわる話題を追いかけています。趣味は古着と映画ポスター集め。

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