Kyoko 2023.7.13 12:34 News | Tv/Movie

第75回エミー賞ノミネート発表まとめ ─ ポイントは「IPのさらなる台頭」

第75回プライムタイム・エミー賞のノミネート発表が、2023年7月12日（現地時間）に行われた。最多ノミネート作品は、作品賞・俳優賞を含む27ノミネートを獲得した「メディア王〜華麗なる一族〜」。「THE LAST OF US」が24ノミネート、「ホワイト・ロータス / 諸事情だらけのリゾートホテル」が23ノミネートで続き、上位3作をHBO作品が独占した。

プラットフォーム別では、HBO（およびMax）が合計127ノミネートで首位に立ち、2位のNetflixは103ノミネートを獲得した。授賞式は日本時間9月19日（火）に開催され、日本ではU-NEXTにて独占配信の予定。

第75回エミー賞ノミネートのトレンドのひとつとして、米Varietyは‟IP（知的財産）のさらなる台頭”を挙げている。2019年にディズニープラスがローンチされて以来、スター・ウォーズやマーベルといった巨大フランチャイズの作品は、テレビ界でも存在感を示すようになった。中でも「ワンダヴィジョン」と「マンダロリアン」は人気が高いだけでなく芸術的にも評価され、過去のエミー賞でそれぞれ作品賞にノミネートされている。

2023年のノミネートリストを見ると、これまで以上にIP作品の躍進が目立つ印象だ。スター・ウォーズドラマからは、「キャシアン・アンドー」が8つ、「オビ＝ワン・ケノービ」が5つ、「マンダロリアン」が9つの計22ノミネートを獲得。「キャシアン・アンドー」はドラマ部門、「オビ＝ワン・ケノービ」はリミテッドシリーズ部門の作品賞にノミネートされている。

人気ゲームの実写ドラマ版「THE LAST OF US」は、作品賞・主演男優賞（ペドロ・パスカル）・主演女優賞（ベラ・ラムジー）など24ノミネートを達成し、ノミネート数で第2位に。ビデオゲームの実写化作品として、初めて主要アワードにノミネートという快挙も成し遂げた。

ほかにも、「ゲーム・オブ・スローンズ」の前日譚ドラマ「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」は8ノミネート、『アダムス・ファミリー』の世界を描くドラマ「ウェンズデー」は12ノミネートを獲得。「ウェンズデー」主演のジェナ・オルテガは、コメディ・シリーズ部門主演女優賞にノミネートを果たした史上2番目に若い女優となった。

こうしたIP作品が存在感を増す中、エミー賞常連作の多くが授賞式から去ることになる。2022年に作品賞・助演男優賞・脚本賞に輝いた「メディア王」、ノミネート常連にも関わらず無冠の「ベター・コール・ソウル」、2年連続コメディ部門作品賞を受賞した「テッド・ラッソ」は、最終シーズンを引っ提げて2023年の授賞式に参戦。そして、2017年、2021年にそれぞれ主要部門を席巻した「ハンドメイズ・テイル／侍女の物語」と「ザ・クラウン」は、次のシーズンでフィナーレを迎える。賞レースでお馴染みの作品群が終了すれば、IP作品がより足場を固めることが可能になるだろうと、Varietyは指摘している。

2023年のエミー賞ノミネートリストは、以下の通りだ。