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【ネタバレ】「バッド・バッチ」シーズン2第10話、バッド・バッチの敵は帝国のみにあらず?まとめ解説

スター・ウォーズ:バッド・バッチ
©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

この記事には、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2第10話『奪回』のネタバレが含まれています。

スター・ウォーズ:バッド・バッチ
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ストーリーは第9話の直後から始まり、バッド・バッチの一行はイプシウム鉱山のある惑星からの脱出方法を探っていた。まずは廃虚で見つけたスピーダーを修理することから始める。その最中、オメガは盗まれたマローダーに取り残されていたGNKシリーズ・パワー・ドロイド“ゴンキー”がいたことを思い出す。ゴンキーの信号を追うことでマローダーの位置を特定でいないかとチームに提案する。見事、信号はつながり、マローダーがまだ惑星内にあることを確認した。

盗んだ犯人はベンニという名の少年。彼は、イプシウム鉱山を所有するモッコというエイリアン種族のもとで働かされていた。一行は修理したスピーダーで町へ向かい、ベンニを捕らえる。マローダー奪還を試みて鉱山施設に潜入したが、力を貸してくれていたベンニに裏切られ、オメガを人質に取られてしまう。

しかし、彼はオメガが脱出に必要なコードを探す途中で、鉱山の利益報告書を見ていた。そこには、モッコの「イプシウムが粗悪で、利益が上がらない」という言葉とは裏腹に、莫大な利益が記録されていた。バッド・バッチが絶体絶命となったタイミングで、ベンニは仲間の少年たちに真実を暴露。少年たちの反抗に助けられ、オメガもマローダーも無事に取り戻すことに成功したのであった。

銀河に遍在する悪

本話で特に目についたのは、モッコの汚い支配体制だ。身寄りのない少年たちの安全と食物を握って、ランク制で競わせ、時に一片の優しさを見せることで父親のように慕わせようとまでしていた。実際、ベンニも真実を知らされても、モッコを裏切る決心がつくまで時間がかかっている。

同じような“搾取する者”としては、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)で若きハン・ソロとキーラを支配していたレディ・プロキシマや、「クローン・ウォーズ」(2008-2020)で記憶を失ったグレガーに皿洗いをさせていたサラスタンのボーカスなど、『スター・ウォーズ』シリーズ全体を通して数多く描かれてきた。

一件落着後のオメガとテクの会話は、本話の意義をきれいにまとめている。「帝国だけじゃないね。悪は銀河中にはびこっている」というオメガに対し、テクは「残念ながら、その通りだ。でも僕らのような連中も大勢いる。それが大事なことだ」と答えた。

スター・ウォーズ:バッド・バッチ
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こうした流れを踏まえると、バッド・バッチの終着点は、クローンの真の解放に向かうのではないかと思えてくる。一歩引いて見れば、カミーノとクローン・トルーパーの関係も大きな違いはないどころか、さらに強固な支配体制とも言えるのではないだろうか。生まれる前から遺伝子を操作され、生活も居住空間も全てを握られた上で、自分が共和国のために戦う兵士なのだと徹底的に教え込まれる。

本シリーズ第3話において、「我々は兵士だ。戦いが終わったらどうなる?」という「クローン・ウォーズ」でのレックスの問いに対し、“戦場での死”という答えが提示されたと評した。しかし、オメガたちバッド・バッチは帝国に限らず銀河に存在している悪を見定め、立ち向かっていくことで、その答えを塗り替えていくのかもしれない。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2はディズニープラスにて独占配信中。

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Red 4

「クローン・ウォーズ」が心のふるさとなスター・ウォーズオタク。クスッと笑えたり、へーと思ってもらえるような記事を目指してライター修行中。

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