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『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』製作陣のほっこり水泳特訓エピソード ─ 監督「カメラも俳優も水中なら、僕も水中に行かなきゃ」

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
Tenoch Huerta as Namor in Marvel Studios' Black Panther: Wakanda Forever. Photo courtesy of Marvel Studios. © 2022 MARVEL.

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』では、“海”が主な舞台のひとつとなる。ワカンダと敵対するネイモアが治めるのは、長年その姿を隠しつづけてきた海底文明・タロカン。ワカンダの人々も水中に潜っての戦いを強いられるのだ。

シュリ役のレティーシャ・ライト、ラモンダ役のアンジェラ・バセット、ナキア役のルピタ・ニョンゴらは、撮影開始前に水泳を学び、フリーダイビングのインストラクターや水中スタントの専門家による訓練に参加。なんと、監督のライアン・クーグラーも俳優陣とともにトレーニングに臨んだという。

Varietyにて、クーグラーは「カメラが水中にあって、俳優も水中にいるなら、僕も水中に行かなきゃと思った」と話している。もとよりクーグラーは、モニターのそばで指示を出すよりも、なるべく俳優のそばで演出をつけるタイプの監督。当初は泳ぐこともできず、水中にいるのが精一杯で、耳抜きの方法さえ知らなかったというが、最後には水中深くの泳ぎ方を学び、恐怖を克服することもできたという。

監督が「僕たちの多くは水が怖い」と言うように、黒人は水泳が苦手な傾向がある。歴史的に海やプールで人種差別が起きていたために、親が子どもになかなか水泳を教えられなかったという背景や、アフロやカールといった黒人の髪と水の相性が良くないなどの理由があるためだ。クーグラーは「泳ぎ方を知る必要があったし、おかげで映画を演出できた」と語る。「最初は水中深くにいるなんて信じられなかった。息の止め方を学んで快適になりました」。

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
腰まで水につかるエムバクさん © 2022 MARVEL.

実際のところ、アンジェラやルピタも、撮影前は決して水泳が得意ではなかったという。アンジェラは、クーグラー監督から本作におけるラモンダの物語を聞かされたのちに「泳げますか? 頭を水に入れられます?」と尋ねられ、「少しなら」と答えたそう。ルピタも「泳ぎ方は知っていたけど、自信はなかった」と話す。しかし訓練の末、ふたりは最大2分ほど水中にいられるようになった。ルピタは「一生もののスキルをもらった」と喜ぶ。

もちろん、水泳の特訓が必要なのはタロカンの人々を演じる役者たちも同じだった。ネイモア役のテノッチ・ウエルタは、出演オファーを受けた時点でまったく泳げなかったものの、「溺れたことはありません」とトンチのような答えで役をつかみ、それから特訓を始めたエピソードで知られる。今では「浮き輪なしで泳げる」と言い、息の止め方を学んだあとは「瞑想のよう」とさえ思えるようになったそうだ。

ちなみに、ネイモアの側近であるネイモラ役のメイベル・カディナ、戦士アットゥマ役のアレックス・リヴィナリもそれぞれトレーニングに参加。あくまで“非公式記録”だというが、一同のなかで息止めの最高記録はメイベルの6分半。「まずはパニックにならないこと」と達成の秘訣を語っている。

映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は2022年11月11日(金)より全国公開中

Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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