2人の天才、チェットベイカーとマイルス・デイヴィス…この冬は映画『ブルーに生まれついて』と『MILES AHEAD / マイルス・デイヴィス 空白の5年間』を続けて観よう

『ブルーに生まれついて』

イーサンホークの出演作が最近とても多い。自身が監督も務めた『シーモアさんと、大人のための人生入門』が日本でも10月に公開された。そして今回紹介する『ブルーに生まれついて』、2017年に1月に『マギーズプラン 幸せのあとしまつ』『マグニフィセント・セブン』と2本待機作品がある。

これだけの出演作を抱えた多忙な日々の中でもイーサンホークはストイックに一人一人の役作りに取り組む。特に実在した人物を演じることは架空の人物を演じることとはまた違う難しさがあるのだろう。

『ブルーに生まれついて』の主人公チェットベイカーの生涯は天才トランペット奏者でありながらも明るく楽しいものではなかった。天才であるはずなのに生きている間に一度も良い評価を得られたことはない。最初はもてはやされたが次第に薬物に溺れる彼を周りはあきらめ、見放していく。それもそのはずトランペット奏者にとって大切な前歯を無くしてしまうのだ。なのにレコードだけは売れるという事実が皮肉めいている。

さみしい人生にも思えるが、その寂しさや不安をバネにして音楽にありったけの力をぶつけていたのかもしれない。それくらい彼の音楽へ対する表現は愛にあふれている。そう思わせてくれたのもイーサンホークなりのチェットベイカーへの深い理解があったからだろう。

作品を通して原題『BORN TO BE BLUE』がとてもしっくりとくる。

『MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間』

そして、作品の中にも何度か登場する『マイルス・デイヴィス』を描く映画『MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間』という作品が12月、絶好のタイミングで劇場公開する。こちらはドン・チードル演じるマイルスとユアン・マクレガー演じる記者のバディームービーのような作りでもあり、現代と過去を面白い手法で行ったり来たりする新しい映像体験だったりもする。

もちろん音楽はまさに”しびれる”!この言葉に限る。ラストシーンはまるで実際にライブ会場にいるかと思うほどの疑似体験ができる迫力。それもそのはず、もしも彼が生きていたらこんなセッションが実現したのではないかという夢のようなバンドメンバーがそろっている。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で世界中から注目されたドラマーのアントニオ・サンチェスが登場しているのには驚きだ。

この2作品に共通しているのは、二人とも音楽をジャズを愛する表現者である反面、薬物に依存し、私生活では大切なパートナーとはうまくいかず愛情表現がとても下手。精神的にもどこかもろい一面がある。

同じ時代に生きた2人の天才、WHITEとBLACKが織りなすメロディーは何色に感じるのだろう?
BLUEなのか?はたまた虹のようなRAINBOWなのか?

映画『ブルーに生まれついて』は2016年11月26日、『MILES AHEAD / マイルス・デイヴィス 空白の5年間』は2016年12月23日公開。

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毎日をhappyに生きるがモットー!BOOKSTAND、東京ルッチで映画関連の記事掲載中

映画鑑賞の趣味から東京国際映画祭WOWOW賞の審査員を経験し現在にいたる

 

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