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『007』ジェームズ・ボンドは男性だけが演じるべきか? ─ ダニエル・クレイグが言及「答えはシンプルです」

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
Credit: Nicola Dove © 2019 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

『007』シリーズの主人公、MI6所属の00(ダブルオー)エージェントであるジェームズ・ボンドは男性だけが演じるべきか?それとも、性別によらないキャスティングを行うべきか?2019年夏、シリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で女性版「007」が登場するとの報道がなされてからというもの、ボンド役をめぐるこの議論は盛んに行われてきた。

このたび、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でジェームズ・ボンド役から離れるダニエル・クレイグが、本件について言及した。断りを入れると、誰がジェームズ・ボンドを演じるべきか?という問いに対する答えは、公式に定められたルールが無い限りは存在しないわけだが、ダニエルは確固とした持論を持っているようだ。米Radio Timesにて、「答えはシンプルです」と語るダニエルは以下のように続けている。

女性には、より良いパート(役柄)が与えられるべきなのです。有色人種の俳優の方々にもです。ジェームズ・ボンドと同じくらい良い見せ場のある女性のキャラクターがいれば、彼女たちがジェームズ・ボンドを演じる必要があるでしょうか?

明言こそ避けているものの、ダニエルの意見は事実上、“ジェームズ・ボンドは男性が演じるべきだ”ということになるだろう。もっとも、ダニエルの主張は条件付きのものであり、議論を“現状維持”から1つ先に進めているようにも思える。『007』シリーズにおいて、ジェームズ・ボンドと同等の活躍を見せる女性キャラクターを登場させるべきだ、という“改善”をダニエルは訴えているからである。

また、ダニエルは上の発言で、性別のほかにも“人種”という論点にも着目している。これについては、ダニエルがジェームズ・ボンド以外のキャラクターを含めている可能性も考えられるが、少なくとも有色人種の俳優の活躍も増やすべきだと彼は考えているのだろう。なお、ダニエルの後を継ぐ7代目ボンド役として大きく期待されている俳優にイドリス・エルバの名がよく挙げられるが、以前エルバは「肌の色」を理由とした否定的な声に傷ついたことを明かしていた。これも実情である。

ジェームズ・ボンドを巡るキャスティングに絶対的な決定権を持つ人物がいるとすれば、それはプロデューサーを務めるバーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンの2人だろう。それでは、2人はどのようなスタンスでいるのか。2018年初頭に英Daily Mailが報じたところによれば、ブロッコリは女性版ボンド・黒人版ボンドの可能性について、『007』は「時代を象徴するシリーズ」と前置いた上で、「どんな事だって起こり得ます」と答えたという。

シリーズの未来は誰にも分からないが、ひとまずはダニエル最後のジェームズ・ボンドを『ノー・タイム・トゥ・ダイ』で見届けるほかなさそうだ。もっとも冒頭で触れたように、本作では「女性版007」が登場するかもしれず、シリーズの歴史的瞬間を目の当たりにするなんてこともあるだろう。

ちなみに、女性版007として注目されているのは、ラシャーナ・リンチが演じるノーミというキャラクター。予告編では、ダニエル演じるボンドがノーミに「君が新しいダブルオーか?」と話しかけている姿も確認できる。果たして、真相やいかに……?

映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、2021年10月1日(金)全国公開。

Source: Radio Times,Daily Mail

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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