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『DIGGER/ディガー』イニャリトゥ監督ロングインタビュー ─ 「他人から受け取った物語ではなく、自分で観て、自分の体験にしてほしい」【限定】

──映像についても伺います。本作は『バードマン』や『レヴェナント:蘇えりし者』とはかなり異なるスタイルだと感じました。色もコントラストも柔らかく、構図もよりコントロールされている。時にはウェス・アンダーソン作品を思わせるところさえありました。撮影監督のエマニュエル・ルベツキと、どのような映像世界を作ろうとしたのでしょうか?

この映画には、とても、とても、とても独自の映像言語があります。何か特定の作品を参照したものとは、かなり離れていると思います。

ウェス・アンダーソンは私も大好きなので、その名前が出るのは面白いですね。でもウェス・アンダーソンのカメラは非常にシンメトリックですし、特定の種類のレンズを使います。この映画とはかなり違うと思います。

本作では広角レンズやローアングルを使っていますし、2つの現実、つまりフィクションと現実が存在します。その間で、実際に映像言語も変えています。ディガー、つまりトムが別のキャラクターを演じる時には、映像言語も変えているんです。

ですから、この映画の映像言語はかなり独自のものです。何かひとつから直接影響を受けたとは思いません。

むしろ私たちが大きなインスピレーションを受けたのは、画家たちですね。たとえばヴィルヘルム・ハマスホイ。彼の作品からは本当に大きな影響を受けました。エドワード・ホッパー、それからフェルメールなどもそうです。

私は、すべてのフレームを一枚の絵画にしたかった。非常に映画的な絵画です。その中に入り込んで、迷い込むことができるような。そして登場人物たちがそこに存在している“文脈”まで見えるようにしたかった。

DIGGER/ディガー
(C) 2026 WBEI and Legendary

だから私たちは、一つひとつのフレームに魂を注ぎ込みました。すべて非常に緻密にデザインされています。ただ、何かほかの作品に近いかと言われると、私には特に思い当たるものはありません。

──ジェシー・プレモンスについても話したいです。大好きな俳優なのですが、今回もとても独特で、変わったキャラクターを演じています。この役にジェシーがふさわしいと思ったのは、彼のどんなところだったのでしょうか?

このキャラクターを書いている時から、この役を成立させられるのはジェシー・プレモンスしかいないと分かっていました。

とても精密さを要求される、非常に重要なキャラクターなんです。ジェシーが演じる役はあまりにも重要なので、彼がもし断ったら、ほかに誰ができるのか本当に分からなくて、それが心配だったほどです。

でも幸い、彼は脚本をとても気に入ってくれて、この作品を気に入り、出演を引き受けてくれました。

なぜ彼がそこにいるのかを観客が実際に見れば、あの非常に重要な瞬間を担うことができたのは彼しかいなかった、と理解してもらえると思います。

──本作には、すべての意味を変えてしまうような、大きな転換があります。その展開を秘密にしながら、一方で2回目に見ると気づけるようなディテールを仕込む。そのバランスはどのように取ったのでしょうか?

この映画は、ある意味ではマトリョーシカ、人形の中からまた人形が出てくるような構造で動いています。

ストーリーテラーとして常に考えるのは、どこから物語を始め、どこで終えるのか。そして、その間でどの情報をいつまで伏せておくのか、ということです。それによって観客を楽しませ、ドラマチックな緊張感を作っていく。

この映画は、どうしてもこのような語り方でなければならなかったと思います。物語は常に、少しだけ観客の先を進んでいる。そして観客はそれを追いながら、少しずつ発見していく。

DIGGER/ディガー
(C) 2026 WBEI and Legendary

私は観客を“共犯者”にしたかったんです。観客自身にストーリーテリングへ深く参加してもらい、登場人物たちと一緒に旅をしてもらいたかった。そういう、発見していく旅なんです。

だからこそ、この映画については、事前に読む情報が少なければ少ないほど、より楽しめると思います。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者、運営代表。執筆・編集から企画制作・取材・出演まで。数多くのハリウッドスターに直接インタビューを行なっています。お問い合わせは nakataniアットriverch.jp まで。

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