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『DIGGER/ディガー』イニャリトゥ監督ロングインタビュー ─ 「他人から受け取った物語ではなく、自分で観て、自分の体験にしてほしい」【限定】

──本作は資本主義や権力、西洋社会の傲慢さなどを風刺しています。企画から完成まで約10年を要したことで、当初は風刺だったはずのものが、今では現実にかなり近づいてしまった部分もあるように感じます。特定の時代について反応した作品なのでしょうか? それとも、人間や権力について、より普遍的なことを描こうとしたのでしょうか?

両方ですね。この映画の物語は、人類そのものについてのものです。この映画が“ディザスター映画”だとすれば、その災害とは、人間が人間に対して起こしているものです。

私たちは現実や自然を相手に、終わることのない戦争を続けています。そして私たちがそれをやめなければ、最後にどちらが勝つのかは分かっていますよね。

だからこれは、特定の時代を超えたものについての映画でもある。ただ同時に、私たちがこの物語を書き始めたころ、いくつかの出来事については、かなり想像力を広げて書いていました。ディザスター映画としても風刺としても、現実ではあり得ないくらいまで物事を誇張していたんです。

ところが、この9年間で現実のほうが私たちを追いかけ始めて、ついには追いついてしまった。この映画の中で語られることや起きることの多くは、当初は私たちが想像力を相当広げて作ったものだった。それが今では現実になってしまった。そこが恐ろしいところです。

DIGGER/ディガー
(C) 2026 WBEI and Legendary

この映画は、確かに私たち人間が昔から抱えてきた、終わることのない強欲や権力欲、愚かさ、無責任さについての映画です。そして大人たちは子どもたちに、「すべて大丈夫だ」と言う。でも違う。あなたたちの世代は、何ひとつ大丈夫ではないと分かっている。それなのに、別の物語を聞かされているわけです。そういうこと自体は昔からありました。

でも、この映画で扱っていることのいくつかは、この9年間、私たちが脚本を書いている間に、残念ながら現実になってしまった。現実が変化するスピードはあまりにも速い。本当に恐ろしいですよ。

──ありがとうございます。最後に、日本の観客、映画ファンに伝えたいメッセージはありますか?

まず、この映画で私がこれまで見た中でも最高のトム・クルーズの演技を見てもらえる機会を、ぜひ楽しんでほしいです。

トム・クルーズは今回、“誰にも呼ばれていないヒーロー”を演じています。そして素晴らしい俳優たちもいる。リズ・アーメッド、ザンドラ・ヒュラー、ジョン・グッドマン。私自身がこれまで作ってきた映画とは、また違った、とても面白い作品になったと思います。

DIGGER/ディガー
(C) 2025 WBEI and Legendary

これは私の人生で最も複雑な映画であり、最も誇りに思っている映画です。トムも同じように感じています。だから、できるだけまっさらな状態で、先入観を持たず、誰かから聞いた“物語”を持たずに映画館に来てほしい。それが私からのメッセージですね。

何も知らずに来て、楽しんでください。きっといろいろな議論が生まれるでしょうし、人によって見えるものも違うと思います。それこそが、私たちの作品です。

DIGGER/ディガー
(C) 2026 WBEI and Legendary

映画『DIGGER/ディガー』は全国公開中。THE RIVER公式YouTubeチャンネルでは、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督へ行った、ここだけでしか見ることのできない貴重な単独インタビューフル動画を公開中だ。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者、運営代表。執筆・編集から企画制作・取材・出演まで。数多くのハリウッドスターに直接インタビューを行なっています。お問い合わせは nakataniアットriverch.jp まで。

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