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【ネタバレ】『ドクター・ストレンジ』ベネディクト・カンバーバッチ、驚愕の一人二役 ─ 予想もしない「2人目のキャラクター」とは

ドクター・ストレンジ
© Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータ イメージ

カンバーバッチ、まさかのドルマムゥ

『ドクター・ストレンジ』でカンバーバッチが演じた「2人目」のキャラクターとは、クライマックスでストレンジが対峙する最強の敵・ドルマムゥだ。地球を狙う暗黒次元(ダーク・ディメンション)の支配者であり、マッツ・ミケルセン演じるカエシリウスが、永遠の命を得るべく接近するキャラクターである。カンバーバッチが担当したのは、ドルマムゥの声とモーションキャプチャー(フェイシャル・キャプチャー)だ。

劇中でストレンジは、ドルマムゥを相手に奇策を用いて対決する。圧倒的な力をもってストレンジを屈服させようとするドルマムゥだが、ストレンジがアガモットの眼を使って繰り返すタイムループから脱出できなくなってしまうのだ。したがってドルマムゥは、何度殺しても帰ってくるストレンジの相手をし続けるはめになってしまう……。

ドクター・ストレンジ
©Walt Disney Studios / Supplied by LMK 写真:ゼータ イメージ

IGNのインタビューにて、スコット・デリクソン監督は、カンバーバッチが二役を演じることになった経緯を「撮影中にベネディクトがひらめいた」からだと明かしている。

「“(ドルマムゥを)僕が演じるのはどうでしょう”と言われて、“ちょっと考えさせてください”と。面白いアイデアだと思ったんですよ。僕はドルマムゥを、ダーク・ディメンションから離れない異次元の存在として考えていました。じゃあ、なぜ彼には顔があり、目と鼻があり、表情があるのか。それはストレンジとコミュニケーションを取るためですよ。」

Cinema Blendでは、カンバーバッチ本人がアイデアの発端を明かしている。いわく「(ドルマムゥを)恐ろしい巨大なモンスター以上の存在にするなら、ストレンジの鏡のような存在にするのはどうだろう。そういう存在が襲いかかってくるのは面白いんじゃないか」という発想だったとのこと。そしてスコット監督も、このアイデアを大いに気に入ったのである。

「ベネディクト以上にドルマムゥを理解している人はいません。僕はドルマムゥというキャラクターを、“ストレンジがさらに思い上がったようなヤツ”として執筆したからです。彼は自制心を失ったエゴそのもの。全宇宙の征服者であり、マルチバース(多元宇宙)のすべては彼のためにある。そんな巨大な征服者が、時間を操れる小さい男と戦い、うまい戦略にはめられるのが面白いんです。それをベネディクトと一緒にうまく演じられるのは、ベネディクト以外に考えられませんでした。」

カンバーバッチの表情を基にして描かれたドルマムゥの顔は、鏡の反射が波紋のように広がっていくアニメーションになっているとのこと。「(ドルマムゥには)ストレンジの姿が反射しているんです」と語るカンバーバッチは、ドルマムゥ役について「楽しかったですよ」と振り返った。「うまくいったかどうかはわからないですけどね、すぐには気づかれないでしょうし」。

なお、映画本編に使用されているドルマムゥの声は、カンバーバッチが収録した音声と、名前の明かされていないイギリス人俳優によって収録された音声が合成されたもの。カンバーバッチが収録に臨んだあと、製作チームは『キャンディマン』(1992)やドラマ「THE FLASH/フラッシュ」(2014-)ズーム役のトニー・トッドを起用して別バージョンを収録したようだが、こちらは残念ながらお蔵入りになったという。

映画『ドクター・ストレンジ』MovieNEXは発売中。

Sources: IGN, CB, CBR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。