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【ネタバレ】『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』アイアンマンの再登場、一時検討されていた ─ ドナルド・グローバー、前作から続投の計画も

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
© 2019 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved. | MARVEL and all related character names: © & ™ 2019 MARVEL.

アイアンマン、再登場の計画あった

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)でピーター・パーカー/スパイダーマンを抜擢したトニー・スターク/アイアンマンは、つづく『スパイダーマン:ホームカミング』でピーターを導く師匠として活躍。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)では宇宙にて共闘するが、サノスの手によって全宇宙の生命が半減させられた際、ピーターも塵と消えてしまう。『エンドゲーム』で消滅した生命は取り戻されるも、最後にトニーは、自分自身の命を投げうってサノス軍を倒すこととなった。トニーが息を引き取る瞬間、ピーターもすぐそばにいたのだ。

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』で描かれるのは、そんな『エンドゲーム』を経て、トニーのいない世界でピーターがヒーローとして生きていくストーリーである。しかし脚本家のクリス・マッケナ&エリック・ソマーズは、アイアンマンが再び姿を見せる計画があったことを米The Hollywood Reporterにて語っている。

スパイダーマン:ホームカミング
『スパイダーマン:ホームカミング』 © 2017 Columbia Pictures Industries, Inc. and LSC Film Corporation. All Rights Reserved. | MARVEL and all related character names: © & ™ 2017 MARVEL.

クリスが明かしたのは、トニーを登場させる“ふたつの可能性”だ。本作には、過去の映像を再び使用する可能性や、トニーの遺品となったサングラスに搭載されている人工知能、イーディス(EDITH)からトニーの声が聞こえてくる可能性が検討されていたという。後者は抜群の効果を発揮しただろうが、しかしそれゆえに「トニーに頼りすぎたくない」として見送られた。

エリック「トニーはすごく愛されていますし、実際に僕たちはいろんな可能性について話し合いました。しかし、ある人物の不在や喪失を描くことが大切だったんです。その人物を登場させて、存在感が出てしまえば、喪失を描くのが難しくなってしまいますよね。」

クリス「“彼はまだ生きている、ホログラムとしてアベンジャーズ基地にいるんだ”というような、永遠に続けられないことをやりたくはなかったんです。」

おそらく、この判断は正しかっただろう。トニーの不在、自分が後継者を担わねばならないのかという重圧、高校生の夏休みへの憧れなどが重なって、ピーターはクエンティン・ベック/ミステリオにイーディスを手渡してしまうのだ。ピーターの胸にぽっかりと空いた喪失感は、『ファー・フロム・ホーム』のストーリーを描く上で欠かせなかったのである。

なおクリス&エリックによると、本作への再登場が検討されていたもう一人のキャラクターが、前作『ホームカミング』に登場したドナルド・グローバー演じるアーロン・デイヴィス。コミックでは“2代目スパイダーマン”マイルズ・モラレスの叔父にしてプロウラーというヴィランで、MCU作品ではないが『スパイダーマン:スパイダーバース』にも登場したことが記憶にも新しい。

脚本家の二人はアーロンの再登場を熱望し、脚本作業にも着手していたというが、こちらもトニーと同じく実現には至っていない。理由は、本作のピーターがアメリカにて過ごす時間が非常に短かったため。エリックは「早くニューヨークから出して旅に行かせたかった。ニューヨークで描きたいことはいくつもあったんですが、描く時間がなかったんです」とコメントしている。

短編映像にも入ってなさそう

映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は2019年6月28日(金)より世界最速公開中

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』公式サイト:http://www.spiderman-movie.jp/

Source: THR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。