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完璧主義者デヴィッド・フィンチャー、他人の映画を観る時も細かすぎる ─ ブラッド・ピット「ずっとブツブツ言っている」

デヴィッド・フィンチャー
Photo by Raffi Asdourian ( https://www.flickr.com/photos/zaffi/13522588123/ ) / Remixed by THE RIVER

『セブン』(1995)『ファイト・クラブ』(1999)などの巨匠デヴィッド・フィンチャーは、作品の細部までこだわり抜く、妥協を許さない完璧主義者として知られる。最新作『Mank/マンク』でもゲイリー・オールドマンらを相手に、「100回以上」という信じられないテイク数を重ねたという逸話が伝わっているのだ。

では、そんなフィンチャーが他人の映画を観るとどうなってしまうのか? 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008)や『セブン』『ファイト・クラブ』でタッグを組んだ盟友のブラッド・ピットは、米The New York Timesにて、フィンチャーと一緒に映画を鑑賞した時のエピソードを明かしている。

「彼(フィンチャー)はおもしろい文句を付けるんですよね。ずっとブツブツ何か言っているんです。このショットは良いとか、今の繋ぎ方は下手だとか、“なんでそのインサートを入れたんだ!”とか“カメラを安定させろ!”とか。フットボールのコーチと一緒に試合を観てるみたい。」

『Mank/マンク』と「マインドハンター」シーズン2(2019)で撮影監督を務めたエリック・メッサーシュミットによれば、フィンチャーは『ゾディアック』(2007)の頃から、フランスのヌーヴェルヴァーグやシネマ・ヴェリテ以前に遡る「非常に古典的な」映像的なルールに則り、手持ちカメラはほぼ使わずに“俳優が動いたぶんだけカメラを動かす”という方法にこだわっているそう。「俳優が少し動いたら、そのぶん動く。立ち位置を調整したら、そのぶんだけ。彼らが止まったら止まるんです」。

自分にも厳しく、他人にも厳しいフィンチャーの見方は編集室でも炸裂している。ピットと同じく盟友のひとり、スティーヴン・ソダーバーグ監督は『パニック・ルーム』の編集室に招かれた際、その恐るべき細かさを目撃したことを語っている。

デヴィッドはレーザーポインターを持っていて、(投影された)フレームの上の方に丸を描きながら“ここを4分の1の明るさにして”とか言ってるんですよ。部屋を出ちゃいましたね、一回外に出て深呼吸しようって。“うそだろ、あんなことをいつもやってるのか? ずっとやってるのか? 僕にはできないぞ”と思って。」

フィンチャー監督の最新作『Mank/マンク』はNetflixにて独占配信中。今回もそのこだわりに刮目すべし。

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Source: The New York Times

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。外部寄稿に『TENET テネット』『ジョーカー』『シャザム!』『ポラロイド』劇場用プログラム寄稿など。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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