『ジュラシック・ワールド』に巨匠スティーブン・スピルバーグが込める魂 ― 『炎の王国』監督「作品はスピルバーグの子ども」と語る

映画『ジュラシック・ワールド』(2015)は、『ジュラシック』シリーズの第4作にして、前作から14年ぶりとなる新作だった。監督を務めたのは、『彼女はパートタイムトラベラー』(2012)しか長編作品の経験がなかったコリン・トレボロウ。第1作を手がけたスティーブン・スピルバーグは製作総指揮という立ち位置に収まっている。

しかし長期化した人気シリーズでは、生みの親であるクリエイターが監督の座を退き、事実上の名義貸しにとどまるケースがしばしば起こりうる。『ジュラシック・ワールド』の場合も、観客の目からはスピルバーグが制作現場で何をしていたのかは見えなかったわけだが……しかしスピルバーグは、自身がトレボロウ監督のかたわらで作品づくりを全力で支えていたようだ。

巨匠スティーヴン・スピルバーグの魂


2015年6月、米The Hollywood Reporter誌の座談会にて、スピルバーグは自身の『ジュラシック・ワールド』における仕事ぶりを語っている。いわくスピルバーグは、制作の初期段階に大きく貢献したそうだ。

「僕はストーリーを作るところに深く関わりました。(コリン・トレボロウ、共同脚本のデレク・コノリーと)脚本の作業をしたんです。撮影現場にはいなかったですが、編集用の素材は毎日見ていましたね。なにか気づいたことがあったら、コリンには直接メモを渡していました。コリンは素晴らしい仕事をしてくれましたよ。」

つまりスピルバーグは、『ジュラシック・ワールド』の脚本のみならず、日々の撮影も離れたところから監修していたのだ。多忙を極めていたであろう中、シリーズの生みの親として創造性を発揮したスピルバーグのバイタリティには驚かされるばかりである。

『ジュラシック・ワールド』より Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment

続編映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』では、監督に新鋭J・A・バヨナが起用され、トレボロウは脚本・製作を兼任。この作品にも製作総指揮として携わったスピルバーグは、やはり脚本に深く関わったようである。バヨナ監督は、トレボロウやコノリーとの執筆作業にスピルバーグも加わっていることを明かし、「(『炎の王国』は)スピルバーグの子どもでもあります。考えを共有して、物語を面白くするために一緒に作業しているんです」語っていた

「スピルバーグの子ども」という表現は、非常に的を射たものといえるだろう。このシリーズに対するスピルバーグの尽力ぶりは、生みの親として各作品に『ジュラシック』の魂をこめるような、あるいはスピルバーグ自身の魂を注ぎこむような勢いだからだ。

 

トレボロウが監督に復帰する次回作『ジュラシック・ワールド3(仮題)』でも、もちろんスピルバーグは製作総指揮として再登板する。『ジュラシック』シリーズ全体としては第6作にして、トレボロウ監督とは『ジュラシック・ワールド』以来の再タッグ。さらに円熟したコラボレーション、そして『ジュラシック』シリーズの粋が詰まった作品になることを期待したい。

映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は2018年7月13日より全国の映画館にて公開中。前作『ジュラシック・ワールド』はブルーレイ&DVDが発売中だ。

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』公式サイト:http://www.jurassicworld.jp/

[この記事は2017年8月4日に初掲載したものに新たな情報を加え、全面改訂したものです。]

Source: THR
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore

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