MCU版『スパイダーマン』ベンおじさんの死はピーター・パーカーの責任ではないことが明らかに ─ 『シビル・ウォー』10周年で語られた過去設定

スパイダーマンの悲しき宿命……それは、自分を育ててくれたベンおじさんを失い、「大いなる力には大いなる責任が伴う」ことを痛みとともに学ぶということだ。
トビー・マグワイア版『スパイダーマン』と、アンドリュー・ガーフィールド版『アメイジング・スパイダーマン』シリーズでも、ピーター・パーカーは自らの怠慢によって悪党を見過ごしたことでベンおじさんを死なせてしまう。この悲劇的な出来事を機に、ピーターは自らの暗い復讐心に折り合いをつけながら、スパイダーマンとしての力を正しく使い、悪を打倒する戦いに身を投じることとなる。
ただ、3度目の映像化となるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)版では、このよく知られたプロットは省略されている。トム・ホランドのピーター・パーカーは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)ですでにスパイダーマンとして活動を始めており、そのオリジンに焦点は当てられていない。ベンおじさんは、既に亡くなったものとして『スパイーダマン:ホームカミング』(2017)でさりげなく言及されるのみである。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の公開10周年企画としてジョー・ルッソ監督が米CBRに語ったところによれば、MCU版におけるベンおじさんの死は、ピーターの不作為によって起きたものではなかったという。
「僕が共感したのは、とんでもない責任を背負った子どもということでした。その責任感は、不慮の死を通じて表現できると思います。その重圧や、人生における喪失感は、僕たちが求めた精神のまま守ることができたのです」と語るジョー。「役者としてのトム・ホランドが、もしベンおじさんの死を自分のせいだと思っていたら、彼は全く別のキャラクターになっていたと思います。だから僕たちの中では、彼にベンおじさんの死の責任はありません。そうしていたら、全く別の解釈になっていたと思います。あのキャラクターはもっと強烈な解釈になっていたでしょう」と、トビー版やアンドリュー版とは異なる過去を認めている。
ただし『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023)で描かれたように、すべてのスパイダーマンは大切な人を失うという悲劇を経験するものである。MCU版ピーターの場合、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)で、メイおばさんがグリーンゴブリンの凶行によって命を落とす。ピーターは激昂し、クライマックスの戦いでグリーンゴブリンにとどめを刺そうと我を失う。
しかし、復讐心は何も生まないことを先に学んでいるトビー版ピーターが間に割って入り、“無言”の説得だけでグライダーの刃を降ろさせる。
ジョン・ワッツが手がけた『ホーム』3部作は、快活なトーンを基調としながら、ピーターが段階的に喪失と責任を引き受けていく物語でもあった。ジョー・ルッソのいうように、もしもMCU版ピーターがベンおじさんの死に責任を感じていれば、その人物像はより重く暗い、「強烈な」ものになっていた可能性が高い。『ノー・ウェイ・ホーム』に至る感動的な成長譚も、また違ったものになっていたことだろう。
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Source:CBR





























