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【ネタバレ】「ムーンナイト」第1話、カット寸前だった重要シーンとは? ─ キャラクター理解に必要な意図、監督が説明

ムーンナイト
(C) 2022 Marvel

この記事には、「ムーンナイト」第1話『もうひとりの自分』のネタバレが含まれています。

ムーンナイト
(C)2022 Marvel

MCUの新シリーズ「ムーンナイト」の主人公は、イギリス国立博物館のギフトショップで働く平凡な男、スティーヴン・グラント。しかし、彼は夢と現実を混同させてしまう問題を抱えており、さらには意識喪失も頻発させていた。第1話では、スティーヴンが症状に苛まれていく様子が描かれる。

その影響は日常生活にまで及んでいき、スティーヴンは遂にとあるシーンで大失敗をしてしまう。同僚の女性とのデートの約束をすっぽかしてしまったのだ。街で一番だというステーキレストランでのディナーを約束していたスティーヴンは時間通りに店を訪れるも、女性は一向に現れず。心配になり電話をかけると、電話口から「最高。今さら電話?」と不機嫌な声が聞こえてくる。事情を飲み込めていないスティーヴンだったが、デートは2日前のはずだったと指摘されてしまう。辛辣にも別れを告げられてしまったスティーヴンは動揺しながらも、ステーキを注文する。

モハメド・ディアブ監督が米The Hollywood Reporterに語ったところによれば、このステーキレストランでのシーンこそ、カット寸前だったのだという。のちに劇中でも明かされることになるかもしれないが、ディアブ監督いわくスティーヴンが苛まれているのは解離性同一性障害(Dissociative Identity Disorder、DID)という病気。ステーキのシーンは、DIDを抱えたスティーヴン・グラントというキャラクターを理解するのに重要なシーンだったと監督は語っている。

「あのシーンを巡っては、戦いましたよ。私と(プロデューサーの)サラ(・ゴフェル)が書いたんです。ステーキのシーンが無かったらスティーヴンのことをよく知れなかったでしょうし、私自身そうと確信していました。あのシーンで視聴者は、“第1話だけど、もうこのキャラクターが好きになってしまった”と思うのです。DIDが、“ただの意識喪失で、その後の彼の生活は元通り”なんてものではないことを伝えることが重要だった。違うんです。DIDは彼の人生をめちゃくちゃにしているんです。恋愛さえも。彼は恋人を作ることはできないし、誰とも関係を築けない。彼が抱えてきたことのせいで。」

スティーヴンがステーキの注文にたどたどしかったのは、ヴィーガンであったためだと思われる。つまり、肉を食べることができないことすら忘れてステーキレストランを予約してしまっていたわけだが、DIDを患うスティーヴンにしてみれば、防ぎようのないこと。ディアブ監督は、同シーンを「すごくブラック・コメディ風な瞬間です」と話す。その上で、「そこがスティーヴンに共感できるところでもあるのです」と演出の狙いを語った。

「ムーンナイト」はディズニープラスで独占配信中。

Source: THR

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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