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「アメリカを荒らす者たち」くだらない事件から浮かび上がる社会の闇 ─ おうち時間に観たいシリーズ作品を1日1本紹介

アメリカを荒らす者たち
Netflixオリジナルシリーズ「アメリカを荒らす者たち」独占配信中

新型コロナウイルスの感染拡大防止のための「緊急事態宣言」も、どうやら長引くことになりそうだ。いつもなら話題の大作映画がやってくるゴールデン・ウィークも、今年はずっとおうちで過ごすことになりそう。

そんな時だからこそ、たっぷり時間を使って「シリーズもの」に手を出してみてはいかがだろう。海外ドラマやリアリティ番組、ドキュメンタリー・シリーズなど、THE RIVER編集部メンバーいちおしのタイトルを8日連続で1日1作ご紹介。話題作から、ちょっぴりマイナーなものまで、イチオシ作をぜひお楽しみいただきたい。

6日目はMINAMIより、「アメリカを荒らす者たち」をご紹介。

「アメリカを荒らす者たち」

今回、筆者が紹介したいのは、アメリカの高校を舞台に悪質ないたずら事件の真相を追うフィクションを、あたかも事実のように描くモキュメンタリーシリーズ「アメリカを荒らす者たち」(2017-2018)だ。シーズン1ではハノーバー高校の駐車場で起こった“卑猥な落書き事件”、シーズン2ではカトリック系の高校で起こった“集団下痢事件”が描かれている。

シーズン1は、ハノーバー高校の駐車場に停められた教員の車に、スプレーで男性器が描かれる事件の真相を追う物語。かねてから落書きの常習犯として目を付けられていた男子生徒のディランは、犯人として疑われてしまい、挙げ句の果てに退学処分まで受けることに。それでも無実を訴え続けるディランへの疑いを晴らすために、放送研究会のピーターとサムが立ち上がり、唯一の事件目撃者であるアレックスなどにインタビューを重ねていく。そして、真相解明の果てに待ち受けていた衝撃の真実とは……。

アメリカを荒らす者たち
Netflixオリジナルシリーズ「アメリカを荒らす者たち」独占配信中

シーズン2では、さらに不可解極まりない事件がピーターとサムを待ち受けている。昼食時にレモネードを飲んでいたカトリック系の高校生徒たちが突如一斉にお腹を下してしまい、学校中がウンコまみれになるという、想像するだけでも吐き気を催すような事件が発生。そんな中、毎日のように他の生徒たちから果物を投げつけられ、有名ゲームアプリにちなんで“フルーツ・ニンジャ”と呼ばれる、いじめられっ子の男子生徒ケヴィンが、世間体を気にする学校側濡れ衣を着せられてしまう。前回の事件で一躍有名となったピーターとサムは、女子生徒であるクロエからの依頼を受け、調査に乗り出すことに。 

あまりにもくだらない事件を扱った本シリーズだが、次々と暴かれる事実から社会の闇が浮き彫りとなっていく。

例えば、シーズン1では決定的な証拠もないまま、人々の独断と偏見でディランを容疑者として仕立て上げてしまう。もしも、他に真犯人がいるとすれば、無実の罪で彼を犯罪者にしてしまうことになるわけだ。シーズン2では現代社会に欠かせないソーシャルメディアの危険性について描かれている。かつて人気者だったケヴィンは、小学生の頃、ウンコを漏らしたかのように見える姿の写真を拡散されたことからイジメの対象に。面白半分での投稿や第三者による安易な拡散は、相手の人生をひどく狂わせてしまう可能性があるのだ。

とはいえ本作は、ディランやケヴィンが犯人ではないとも言い切れないのが面白いところ。「真犯人は誰なのか」と視聴者を巻き込んで展開していく見事なストーリーテリングは、まさしく本格的なミステリーだ。事件解決に導こうと奮闘する、ピーターとサムの姿や関係性は、いわばシャーロック・ホームズとワトソン博士そのもの。一度のめり込んだら視聴者を掴んで離さない、インパクトのある物語と演出を兼ね備えた本シリーズを一気見してみよう。

Writer

南 侑李
Minami南 侑李

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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