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『スター・ウォーズ』グリーヴァス将軍の正体はダース・モールだったという案をルーカスが検討していた?

スター・ウォーズ グリーヴァス将軍
© Lucasfilm Ltd & TM. 写真:ゼータイメージ

ここで、焦点を今回のエピソードを披露してくれたヘンリー・ギルロイに移したい。というのもこの人、只者ではないのだ。名前を聞いたことがある人は多くないかもしれないが、実は、あのデイヴ・フィローニと共に「クローン・ウォーズ」と「反乱者たち」(2014-2018)を創り上げた重要人物なのである。

始めに断っておくと、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)とドラマ「キャシアン・アンドー」(2022)を手掛けたトニー・ギルロイ、ダン・ギルロイの兄弟との血縁関係はない。

ヘンリーの話によると、プリクエルの製作を終えたジョージ・ルーカスは、フィローニとヘンリーの2人に『スター・ウォーズ』シリーズを明け渡すつもりだったという。なんとルーカス本人に「私は引退するよ。まあ、年に1、2回は会いに来るかもしれないけど、これからは君たちが創るんだ」と言われたそうだ。ちなみに2人が製作したテスト映像を見たルーカスは、それ以降毎週会いに来たとのこと。

モールの復活についても、ヘンリーが深く携わっていた。それまで復活に否定的であったルーカスであったが、「クローン・ウォーズ」の製作が進むにつれて心境が変わったという。2017年のスター・ウォーズセレブレーションで、フィローニは当時をこう語っている。

「(ルーカスに)ストーリーに関する会議で“絶対気に入るアイデアがあるよ”と言われました。普段そんなことを言わないので何だろうと思っていると、“ダース・モールを復活させる”と言い放ったので、“本当ですか?”と返しました。僕は『エピソード1/ファントム・メナス』での真っ二つに斬られるというのが、頭のいいアイデアだと思ってたんです。だって、サルラックに落ちたボバ・フェットには永遠の論争がつきまとったでしょ?真っ二つなら、それでお終い。でも“いや、彼は帰ってくる”と。僕が“どうやってですか?”と聞くと、答えは“私は知らん。君が考えるんだ”でした。」

何とも投げやりなお題に対し、フィローニは既に製作を抜けていたヘンリーの力を借りることにした。ヘンリーは、その時の会話をこう思い起こす。

「彼(フィローニ)に“まあ、そんな訳でジョージがモールを復活させたがっている”と言われ、私は“やっぱり、そうなると思ってた”と返しました。だって、ジョージは自分が創ったものを見るのが好きですから。それでアイデアも素晴らしいので、異論なしですよ。」

“ダークサイドへの信仰と悪への固執”が生存の大枠の説明として用意されていたが、詳しい経緯はギルロイが考えたという。「有毒廃棄物に浸かったことで、断面が焼かれて止血されるも、そのままゴミの惑星に送られる」というストーリーを提案したところ、「ああ、それいいね」と採用されたそうだ。

その後、「反乱者たち」でモールが最期を迎えるシーズン3第20話『双子の太陽』についても、フィローニとギルロイが共同で脚本を担当している。

他にもギルロイはインタビューで、ルーカス本人から「ランコアのフンを食べるクリーチャーを創って、名前を“Gilroys”(ギルロイズ)にしよう」と提案された話や、「反乱者たち」の製作段階でチョッパーがエズラのスケートボードとして想定されていたのに対し「ドロイドはスケボーなんかじゃない」とルーカスフィルムに楯突いた話など、興味深いエピソードを披露している。

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Source:/Film

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Red 4

「クローン・ウォーズ」が心のふるさとなスター・ウォーズオタク。クスッと笑えたり、へーと思ってもらえるような記事を目指してライター修行中。

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