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【ネタバレ】「バッド・バッチ」シーズン2第5話、『インディ・ジョーンズ』風スター・ウォーズで古代文明の世界が開き始めた?

スター・ウォーズ:バッド・バッチ
©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

この記事には、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2第5話『埋もれた秘宝』のネタバレが含まれています。

スター・ウォーズ:バッド・バッチ
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第5話のストーリーの始まりは、オメガがジャンク場から拾ってきたコンパスだ。海賊フィーがコンパスに座標が記されていることを発見する。なんとそこには伝説の財宝が眠ると言われている星の位置が示されていたのだ。一行がカルダー三重星系と呼ばれる星を探索すると、そこには古代遺跡“スカラ・ナル”があった。秘密の入り口から洞窟に入り、幾多もの罠を潜り抜け、ついに伝説の宝“山のハート”を見つけ出す。

しかし、“ハート”を引き抜くと古代兵器が起動。洞窟だと思っていたものは、巨大な兵器の内部構造だったのだ。何とか“ハート”を元の位置に戻し、兵器の暴走を止めることに成功するが、兵器もハートも崩壊してしまう。

単体では『インディ・ジョーンズ』シリーズや『グーニーズ』(1985)を彷彿とさせるシンプルな冒険譚と見える本話。登場する要素自体の説明はほとんどなく、謎の多い話となったが、未来の『スター・ウォーズ』シリーズの展開に向けた種まき回であったのではないだろうか。キーワードは“クリスタル”“古代文明”だ。

共鳴するクリスタル

“山のハート”の正体を考えるにあたって、アニメ「クローン・ウォーズ」シーズン5の第6話『ギャザリングへの挑戦』でのカイバークリスタルの描写との関連性を見ていきたい。共通点が2つ挙げられるのだ。

まず1点目に、発する音の類似性。カイバーは歌声のような独特な音を発する。今回、フィーが掴む直前に“ハート”が出した音は、「クローン・ウォーズ」内でノートロンのザットがカイバーを手にする前に出していた音と同じように聞こえる。

2点目として、急に氷のように溶けてしまう点も共通していた。“ハート”は元の場所に挿し直すと光を発して溶けてしまったが、「クローン・ウォーズ」でもカイバークリスタルだと思われたものが溶けてしまう描写がある。それも、どちらも手にした者へ何か教訓を伝えるかのようなタイミングで溶けてなくなったのだ。

この類似性から考えると、“山のハート”も特別な力を持ったクリスタルの一種のように思えてくる。既に正史作品の小説『Master and Apprentice(マスター・アンド・アプレンティス)』(未邦訳)では、コーレン・クリスタルというカイバーの亜種のようなクリスタルも登場している。そうなるとあの兵器は“クリスタルを用いた超兵器”と呼べるわけだが、気になってくるのが「誰が造ったのか?」という点だ。

次なる舞台は数万年前の古代文明?

作中でテクはこの遺跡が「共和国以前」の時代のものだと言い、フィーはジェダイ以前の「エンシェント」の時代のものだと話していた。

一部のファンの間で指摘されているのが、ゲーム『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』に登場するゼフォ文明との関連性だ。注目したいのが、兵器の発射場面。丸い形状の発射口で、エネルギーをためてビームを撃っているが、類似の超兵器として挙げられる「クローン・ウォーズ」に登場したマレヴォランスのイオン兵器とも、デス・スターのレーザー兵器ともふるまいが違っている。そんな中で、『フォールン・オーダー』に登場したゼフォの霊廟を守る番人のビーム攻撃に共通性が見られるというのだ。

「古代のゼフォ文明が建造した巨大兵器」と言われても、ピンと来るファンは少ないのではないだろうか。映像作品を追っているファンからすると、ゲーム作品で描かれた要素が急に登場しても反応が難しいだろう。だが、ナンバリング映画の時代に関する作品がかなり増えてきた状況を見ると、本話は将来的に映像作品でも古代の世界を扱うにあたっての布石となっている可能性もあるのではないだろうか。

もともと、『スター・ウォーズ』には膨大なスピンオフ作品があり、映画で描かれた時代の20万年前の歴史を扱うものまで存在する。2012年にルーカスフィルムがディズニーに買収されると、そういった物語は“レジェンズ”(非正史)作品として映画作品とのつながりが断たれることとなった。

しかし、最近になってレジェンズの“古代史”が正史として再登場するパターンが増えてきている。『エピソード9/スカイウォーカーの夜明け』(2019)では、シス・トルーパーの軍団名として古代のシスの名前が用いられた。4,000年前に活躍したダース・レヴァンや、さらに昔の時代のダース・アンデッデュといったシスが、名前だけではあるが“正史入り”を果たしている。直近ではドラマ「キャシアン・アンドー」(2022)で、3万5,000年前に銀河を支配したとされるラカタ帝国が言及された。

そういった経緯を踏まえると、深遠なる“古代世界の驚異”がついに映像で描かれたということになる。映画の4000年前の時代を描くゲーム『ナイツ・オブ・ジ・オールド・リパブリック』のリメイクも進んでいるが、もしかすると他にも水面下で古代文明を扱うプロジェクトが進行しているのかもしれない。

スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2はディズニープラスにて独占配信中。

Writer

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Red 4

「クローン・ウォーズ」が心のふるさとなスター・ウォーズオタク。クスッと笑えたり、へーと思ってもらえるような記事を目指してライター修行中。