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『DIGGER/ディガー』誇張しすぎた風刺だったのに、いつの間にか現実が追いついてしまった ─ 監督「現実が変化するスピードが速すぎる」【独自】

DIGGER/ディガー
(C) 2026 WBEI and Legendary

「この9年間で現実のほうが私たちを追いかけ始めて、ついには追いついてしまった」。トム・クルーズ主演の最新作『DIGGER/ディガー』について、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督がTHE RIVERの単独インタビューに応じ、約10年に及ぶ製作の間に、映画で描こうとした風刺が現実になってしまったという驚くべき思いを語った。

『DIGGER/ディガー』は、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)『レヴェナント:蘇えりし者』(2015)のイニャリトゥ監督が、トム・クルーズと初タッグを組んだ異色のブラックコメディ。クルーズ演じる石油採掘会社のCEOで大富豪ディガー・ロックウェルが、自らの欲深い行動によって地球滅亡の危機を招き、世界を救おうと奔走する姿を描く。

資本主義や権力、人間の強欲、西洋社会の傲慢さなどを痛烈に風刺した本作。イニャリトゥ監督によれば、物語の構想から完成までには約10年を要したという。そこで、企画当初は誇張された風刺だったはずの出来事が、今では現実に近づいているように感じられることについて尋ねた。これは特定の時代を風刺する映画なのか、それとも人間や権力についての普遍的な物語なのか?

「両方ですね」と監督。「この映画の物語は、人類そのものについてのものです。この映画が“ディザスター映画”だとすれば、その災害とは、人間が人間に対して起こしているものです」。

「私たちは現実や自然を相手に、終わることのない戦争を続けています。そして私たちがそれをやめなければ、最後にどちらが勝つのかは分かっていますよね。だからこれは、特定の時代を超えたものについての映画でもある。」

一方で、製作の約10年間に世界は大きく変化した。イニャリトゥ監督が明かしたのは、フィクションとして極端に誇張していたはずの出来事に、現実が追いついてしまったという皮肉な事実だった。

「私たちがこの物語を書き始めたころ、いくつかの出来事については、かなり想像力を広げて書いていました。ディザスター映画としても風刺としても、現実ではあり得ないくらいまで物事を誇張していたんです。

ところが、この9年間で現実のほうが私たちを追いかけ始めて、ついには追いついてしまった。

この映画の中で語られることや起きることの多くは、当初は私たちが想像力を相当広げて作ったものだった。それが今では現実になってしまった。そこが恐ろしいところです。」

権力や富に執着する人間の愚かさ、そして自分たちが引き起こした問題に向き合おうとしない社会を風刺した。監督は「この映画は、確かに私たち人間が昔から抱えてきた、終わることのない強欲や権力欲、愚かさ、無責任さについての映画です」と説明する。

さらに監督は、現実を直視しない大人たちと、その影響を受ける若い世代にも言及した。

「大人たちは子どもたちに、『すべて大丈夫だ』と言う。でも違う。あなたたちの世代は、何ひとつ大丈夫ではないと分かっている。それなのに、別の物語を聞かされているわけです。

そういうこと自体は昔からありました。でも、この映画で扱っていることのいくつかは、この9年間、私たちが脚本を書いている間に、残念ながら現実になってしまった。」

約10年前には現実離れしたブラックコメディだったものが、今では必ずしも荒唐無稽とは言い切れない。イニャリトゥ監督は、現代社会の変化について「現実が変化するスピードはあまりにも速い。本当に恐ろしいですよ」と語った。

映画『DIGGER/ディガー』は全国公開中。THE RIVER公式YouTubeチャンネルでは、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督へ行った、ここだけでしか見ることのできない貴重な単独インタビューフル動画を公開中だ。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者、運営代表。執筆・編集から企画制作・取材・出演まで。数多くのハリウッドスターに直接インタビューを行なっています。お問い合わせは nakataniアットriverch.jp まで。

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