不振版『ファンタスティック・フォー』脚本家、「次のクリストファー・ノーランになる」と自信満々だった ─ しかし脚本が丸ごと変えられていると試写で初めて知ることに

マーベル映画『ファンタスティック・フォー』(2015)の脚本家ジェレミー・スレイターが、同作にかけていた当時の大きな期待を振り返った。いわく、完成版を見るまでは「次のクリストファー・ノーラン」になるつもりだったという。
2015年版『ファンタスティック・フォー』は、ジョシュ・トランク監督のもと、マイルズ・テラー、ケイト・マーラ、マイケル・B・ジョーダン、ジェイミー・ベルらを迎えて製作されたリブート版。公開当時は批評・興行の両面で厳しい評価を受け、舞台裏の混乱もたびたび語られてきた作品だ。
米The Hollywood Reporterのインタビューで、スレイターは同作の現場で起きていたトラブルについて「まったく知らなかった」と説明している。スレイターはトランク監督と「かなり綿密に作業した」といい、その過程は「とても創造的に満たされ、ワクワクするものだった」と回想。自身としては「すばらしい脚本を書いた」と感じていたそうだ。
ところが、その後に大作映画では珍しくない「新しい視点を入れる」という連絡が入り、次に作品を目にしたのは、3年後の試写の席だったという。そこでスレイターは、自分の脚本がほとんど完成版に残っていないことに気づいた。
「自分の脚本が丸ごと捨てられていたことすら、実際には知らなかったんです。最初の観客として座って観ている時に、“ああ、何かが起きたんだ”と気づきました。自分がやろうとしていたことに少しでも似ているものは、そこには何もありませんでした。」
それだけに、完成版を観るまでのスレイターはかなり自信に満ちていたようだ。本人は当時を、少し苦笑まじりにこう振り返っている。
「2年くらいの間、僕はものすごく自信満々で歩き回っていました。“みんな、『ファンタスティック・フォー』を待っていてくれ。僕たちは次のクリストファー・ノーランだ。次の『ダークナイト』トリロジーが来るぞ”という感じでした。」
もちろん、この発言は今となってはほろ苦い笑い話にも聞こえる。だがスレイターの言葉から伝わってくるのは、当時の作り手が本気で大きな作品を目指していたということだ。スレイターは「人はいつも最高の希望と理想を持って作品に入っていく」としながらも、時にプロジェクトは思い描いた通りにはならないと語っている。
特に、既存IPを扱う大規模スタジオ作品では、脚本家が完成版の品質までコントロールできるとは限らない。スレイターは「他人の砂場で遊ぶ」立場にある脚本家として、最終的な作品がどうなるかは自分の手を離れてしまうこともあると説明。「自分と同じ映画を作りたいと思っている協力者たちに恵まれることを願うしかない」と述べた。
スレイターはその後、ドラマ「アンブレラ・アカデミー」「ムーンナイト」や映画『ゴジラxコング 新たなる帝国』(2024)、『モータルコンバット/ネクストラウンド』などに関わっている。2015年版『ファンタスティック・フォー』は、本人にとっても決して思い描いた形にはならなかった作品だったようだが、その経験を経たうえで、現在もジャンル作品の第一線で脚本・製作を続けている。
『ファンタスティック・フォー』はその後、マーベル・スタジオによって『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025)として新たに映画化された。2015年版は今なお“失敗作”として語られがちな一本だが、その裏には、完成版とは異なる理想を抱いていた作り手たちの姿もあったのである。
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Source:THR





























