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【ネタバレ】「マンダロリアン」シーズン3第4話にファン涙の感動演出 ─ あの人が『スター・ウォーズ』に戻ってきてくれた

マンダロリアン
©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

この記事には、ドラマ「マンダロリアン」チャプター20(シーズン3第4話)のネタバレが含まれています。

マンダロリアン
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「マンダロリアン」チャプター20、『スター・ウォーズ』史上最も再登場に意義のあるキャストが登場

『スター・ウォーズ』ドラマ「マンダロリアン」チャプター20(シーズン3第4話)では、ディン・ジャリンが孤児の救出ミッションに向かう間、グローグーがアーマラーに装具を鋳造してもらう展開となった。そこでグローグーは、アーマラーが工具を叩く様子を見て、かつての「オーダー66」の光景をトラウマ的に思い出す。

「オーダー66」とは、『エピソード3/シスの復讐』(2005)で描かれたジェダイ抹殺計画のことだ。極秘プログラムにより突然ジェダイを暗殺しようとするクローン・トルーパーが襲撃する中、グローグーの目の前ではジェダイが次々と倒れる。

グローグーはなんとかエレベーターに乗り込み、上層階へと移動していく。すると扉が開き、とあるジェダイが「もう大丈夫だぞ」と現れる。実はこの黒人のジェダイ、『エピソード1/ファントム・メナス』であのジャー・ジャー・ビンクスを演じた俳優、アーメド・ベストなのだ。

ジャー・ジャー・ビンクスといえば、ジョージ・ルーカスが生んだ、とぼけたコメディキャラクター。ルーカスはジャー・ジャーが子どもたちに愛されることを望んだが、実際にはファンから馬鹿にされ、煙たがれ、嫌われる存在となってしまった。演じたベストの元にも世界中のファンやメディアから誹謗中傷が殺到。この心労でベストは自殺未遂に至ったことも明かしているのだ。

ベストへのバッシングは、とある同業者への反省も促した。『スター・ウォーズ』の大ファンであるサイモン・ペッグは、かつて自身もジャー・ジャーを心なく批判してしまっていたことを振り返り、「実際に被害者がいたこと、人間の被害者がいたということを本当に恥ずかしく思います」「あれ(アーメド・ベストが自殺未遂をしていたという告白)を読んで、“ああ、僕もそのうちの(ベストを苦しめたうちの)一人だったんだ”と思ったんです。恐ろしい気持ちになりました」と話したことがあるのだ。

そのベストが、「マンダロリアン」で『スター・ウォーズ』の銀河に帰ってきたのである。それも、とびきりカッコいい、見せ場盛り沢山のジェダイの役で。

ベストが演じたのはカレラン・ベクという名のジェダイ。子ども向け番組「Jedi Temple Challenge」にも登場していたキャラクターが、初めてストーリーに登場することとなった。グローグーを救出すると、倒れた仲間が落としたライトセイバーを拾い、二刀流でトルーパーのレーザー射撃をはじき返した。その鬼気迫る真剣な表情に、かつてジャー・ジャーが見せたあの気の抜けたコメディの様子はない。カレランはフォースでトルーパーを吹き飛ばすと、さらに二刀流のセイバーをブンブンと振り回し、スピーダーバイクに乗って夜のコルサントを駆けた。

走行中は追撃するガンシップとのスリリングなチェイスを繰り広げ、急転直下の曲芸や、狭いトンネルでの勇気あふれる飛行を披露。そのままチャプター19にも登場した広場を抜け、停泊場に転がり落ちるように着陸すると、兵士とセリフを交わした。

追いかけてきたトルーパーたちが一斉射撃を始めたが、迎撃はナブーの護衛が買って出て、カレランは脱出するよう促された。カレランが信用されているジェダイであることがわかる瞬間だ。そのまま銀色に光り輝くスターシップに乗り込み、成層圏に飛び出してハイパースペースで脱出した。

この約5分間で、ベストが演じたカレラン・ベクは「主要キャラの救出に現れる」「二刀流のライトセーバーを振り回す」「フォースで敵を吹き飛ばす」「スピーダーで激しいチェイスをする」「緊迫感あふれるセリフのやりとりをする」「ハイパージャンプを行う」といういくつもの見せ場を作った。ここまでの大立ち回りをしたキャラクターはなかなかいないのではないか。

『エピソード1/ファントム・メナス』に始まった辛い経験から24年。ベストに届いた「マンダロリアン」の出演オファーには、ルーカスフィルムからの極めて特別な想いが込められていたのではないか。「マンダロリアン」のみならず『スター・ウォーズ』全作の中でも特にカッコいいキャラクター役で復帰したベストだが、本エピソードの展開を見る限り、また再登場してくれる可能性はありそうだ。

フォースと共にあらんことを。

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Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。