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【ネタバレ】「THE LAST OF US」第5話ラストの衝撃 ─ 原作からの変更点が兄弟関係に「深みを与えた」

The Last of Us
Photograph by Liane Hentscher/HBO

この記事には、「THE LAST OF US」第5話『耐えて生きぬけ』のネタバレが含まれています。

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Photograph by Liane Hentscher/HBO

「THE LAST OF US」第5話『耐えて生きぬけ』では、前回ラストに登場した2人組の素性が明らかになる。1人はレジスタンスに追われる兄・ヘンリー、もう1人は聴覚障がいをもつ弟・サムだ。レジスタンスのリーダー・キャスリン(メラニー・リンスキー)がヘンリーを血眼になって探す理由は、彼が以前サムを白血病から救うため、薬と引き換えにキャスリンの兄をFEDRAに売ったからであった。ヘンリーは同じくレジスタンスのお尋ね者であるジョエル(ペドロ・パスカル)&エリー(ベラ・ラムジー)に協力を求め、4人でカンザスシティーから脱出しようとする。

The Last of Us
Photograph by Liane Hentscher/HBO

脱出計画は順調に進むかに思えたが、ラストスパートで一行はレジスタンスに追い込まれてしまう。しかし土壇場で、炎上した家の地面にトラックが沈み、地下から感染者の大群が出現。4人は戦いの末、なんとか逃げ切ることに成功する。ところが、安堵したのもつかの間。サムは感染者に噛まれており、翌朝変異してエリーに襲いかかる。変わり果てた姿のサムを見たヘンリーは、ためらいながらも弟を銃殺。その後、銃口を自分の頭に当て引き金をひき、悲劇的な最期を遂げるのであった。

ヘンリー&サムは、原作ゲームにも登場するキャラクターだ。しかしドラマ版では、サムが聴覚障がい者であること、兄弟が手話でコミュニケーションしていること、そしてヘンリーが弟を救うためキャスリンの兄を密告していたことなど、オリジナル設定が加えられている。

もともと原作ゲームの大ファンであるジョンソンは、こうしたドラマ版での変更点を歓迎し、ヘンリー&サムの関係に「より深みを与えてくれた」と語る。

「役が決まったときに、(サム役)キーボン(・ウッダード)とアメリカ手話を使うことを知りました。撮影に入るまで手話を全く知らなかったので、短期集中コースのような感じでしたね。でもアメリカ手話のディレクターと通訳がいたので、手話を理解しながら撮影に臨むことができました。コミュニケーションは、言葉だけでなくボディランゲージも重要なので、手話が僕たちの関係に深みを与えてくれたと思っています。僕たちは感情を通してコミュニケーションしなくてはいけなかったので、本当に絆が深まりました。僕たちの演技から、それ(絆)を感じとってもらえたと思います。」

作中でジョンソン演じるヘンリーは、弟を大事に思うあまり仲間を売ったことをジョエルに打ち明け、悪者は自分だと断言する。ヘンリーのとった究極の決断について、ジョンソンは「サムに対する愛情が伝わり、サムを守るためなら何だってやることがわかった」と述べ、次のように理解を示した。

「(ヘンリーの気持ちを)理解できたか?というと、答えはイエスです。彼らはとても過酷な世界に生きていて、サムはヘンリーの目的なのです。彼にとって生きる意志であり、サムがいなければ生きる気力もないでしょう。だから、この世界に残された愛する者を守り、救うために全力を尽くす。賛成か?と聞かれたら、うーん難しいですね。でも彼の気持ちは理解できますし、ジョエルも同様だと思います。」

第5話のラストでは、弟を第一に考えるヘンリーが、感染者となったサムを自らの手で殺してしまう。この場面についてジョンソンは、「僕は原作ゲームをやって理解しているし、ゲームのファンなので、あのシーンの重みや重要性はわかっています」とコメント。それゆえ撮影時は、ヘンリーの悲痛な感情を表現するために特別な準備をする必要はなかったようだ。

「(撮影)当日に自分がすべきことを何となくわかっていました。すべてを与えてもらったので、僕はただ可能な限り存在を示し、本物であろうとしたと思います。キーボン、ペドロ(・パスカル)、ベラ(・ラムジー)がいて、みんなが僕に反応し、演技に必要なものを与えてくれました。(中略)だから僕はただその場にいて、自分の周りにあるすべてに反応するだけでよかったのです。」

ヘンリーとサムは登場からまもなく悲しい最期を迎えたが、この先を「耐えて生きぬく」ジョエルとエリーに大きな影響を与えたに違いない。ヘンリーが下した選択や自己犠牲は、同じ“守る者”であるジョエルの心に刻まれ、エリーがサムと過ごした子供らしい時間は、彼女の記憶に残り続けるはず。また、ヘンリー&サムの旅路を見届けた視聴者にとっても、2人はシリーズを通して忘れられない存在になるだろう。

The Last of Us
Photograph by Liane Hentscher/HBO

Source:Deadline

Writer

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KyokoKyoko Okajima

アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

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