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『ボヘミアン・ラプソディ』フレディの病気診断をライヴ・エイド前に変更したことで「批判を受けた」とプロデューサー、「しかし映画としては機能した」

マイケル・ジャクソンの生涯を描く映画『Michael/マイケル』は、完成までに長い歳月を要した。プロデューサーを務めるのは、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)を手がけたグレアム・キング。THE RIVERの単独インタビューでキングは、伝記映画を作るうえでの難しさ、そして『ボヘミアン・ラプソディ』で受けた批判について語った。

『Michael/マイケル』では、マイケル・ジャクソンをスクリーン上にどう再現するかだけでなく、膨大な人生のどの部分を、どのような構造で語るかが大きな課題だったという。キングによれば、脚本は「本当に何度も、何度も」書き直された。

「何稿も重ねました。だから、これだけ何年もかかるんです。公開日も何度も発表しましたが、実現できなかったものがたくさんありました(笑)。世界中の人々はかなり苛立っていましたよね。でも、映画の公開は一発勝負。だから、正しい形にしなければならない。」

キングが強調するのは、伝記映画が“人生そのもの”をそのまま映すものではないということだ。誰かの人生、あるいは人生の一部を扱いながら、最終的には三幕構成の映画体験として成立させなければならない。そのためには、膨大な出来事の中から、どの物語を語るのかを選び取る必要がある。

「そこが難しい。特にマイケル・ジャクソンやフレディ・マーキュリーのような人物の場合は、語るべき物語があまりにも多いですから。」

そのうえでキングは、伝記映画とドキュメンタリーの違いについても言及した。

「世界の人々は、私たちがドキュメンタリーを作っているわけではないことを理解してくれていると思います。日付を動かしたり、現実の出来事を多少組み替えたりする自由はあります。ただし、その人物の人生における物語の筋には忠実でなければならない。」

ここでキングが例に挙げたのが、『ボヘミアン・ラプソディ』におけるフレディ・マーキュリーのエイズ診断の描き方だ。

「『ボヘミアン・ラプソディ』では、実際にはフレディ・マーキュリーがエイズと診断されたのはライヴ・エイドの後でした。でも映画としては、ライヴ・エイドの前に診断されたという形にした方が機能したんです。それについては、多くの批評家から批判も受けました。でも、それならフレディ・マーキュリーのドキュメンタリーを観ればいいのです。」

キングにとって、伝記映画の第一の役割は、観客を物語へ引き込み、映画としての体験を成立させることにある。「私の仕事は、何よりもまず、観客を楽しませる物語を作ることです。だからこそ、何年も何年もかかるんです」。

『ボヘミアン・ラプソディ』も、完成までには長い道のりがあった。キングは「正しい形にするまでに、おそらく10年ほどかかった」と振り返る。『Michael/マイケル』についても、2018年から取り組んできたといい、実に8年に及ぶプロセスになっている。

伝記映画において、史実の取捨選択や再構成は避けて通れない。一方で、その自由は人物の人生を都合よく歪めるためではなく、映画として伝えるべき核心へ近づくために使われるべきものだ。キングは、プロデューサーとして作品に向き合う姿勢をこう語る。

「プロデューサーであるなら、その作品とともに生き、食べ、呼吸するように、毎日向き合うべきだと思います。私は、正しい形にすること、そしてこうした物語を語ることにのめり込んでいきます。ある意味では、その作品が人生を占めるようになるんです。」

最もやってはいけないのは、急いで何かに飛び込むことです。自分たちが本当に正しい物語を語っているのか、それを確かめなければなりません。」

映画『Michael/マイケル』は大ヒット公開中。THE RIVER公式YouTubeチャンネルでは、本作でマイケル・ジャクソン役を演じたジャファー・ジャクソン、その幼少期役のジュリアーノ・クルー・ヴァルディ、プロデューサーを務めた重鎮グレアム・キングへの単独インタビュー動画を公開中。撮影の裏側や背景など、映画がより楽しめるようになる貴重なトークをたっぷり引き出している。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者、運営代表。執筆・編集から企画制作・取材・出演まで。数多くのハリウッドスターに直接インタビューを行なっています。お問い合わせは nakataniアットriverch.jp まで。

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