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『マイティ・ソー』監督、ソー完結編に意欲? ─ 当初は『LOGAN』的な続編構想も

ケネス・ブラナー
Photo by Melinda Seckington ( https://www.flickr.com/photos/mseckington/5632432947/ )

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)初期作『マイティ・ソー』(2011)を手がけたケネス・ブラナー監督が、クリス・ヘムズワース演じるソーの物語に再び関わる可能性について語っている。

『マイティ・ソー』は、MCUが地球外の世界へと本格的に踏み出した重要作である。アスガルドの王子ソーが傲慢さを戒められ、地球での経験を通じて真の王にふさわしい資質を学んでいく物語は、ブラナーらしいシェイクスピア劇的な家族ドラマとして構築された。ソーとロキ、オーディンの関係性には、神話的スケールと肉親同士の緊張が同居していた。

Business Insiderのインタビューで、ブラナーは『マイティ・ソー』続編について、当時マーベルから続投を望まれていたことを認めている。しかし、1作目に3年を費やしたことで、すぐに次回作へ向かうだけの余力がなかったという。「私はもう一本やる準備はできていました。確かにそうです。ただ、その時ではなかった」と振り返った。

興味深いのは、ブラナーが当時抱いていた続編構想である。本人によれば、いくつかのアイデアはジェームズ・マンゴールド監督による『LOGAN/ローガン』(2017)に近い領域のものだったという。すなわち、単なるシリーズ継続ではなく、キャラクターの成熟や終着点を見据えた、より重厚な物語である。

「私はソーというキャラクターとの関係を終わらせたいという思いが、どこかにあります。もっとやりたいとずっと思っていましたし、実際にいくつかのアイデアもありました。ジェームズ・マンゴールドの素晴らしい『LOGAN/ローガン』に近い領域のものです。クリス・ヘムズワースたちが、それぞれの最終章を持ち、ソーを栄光ある黄昏へと導く物語を見てみたいですね。」

その後の『ソー』シリーズは、少しずつコメディ色を強めていった。『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013)を経て、タイカ・ワイティティ監督による『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)では大胆にユーモアを前面化。続く『ソー:ラブ&サンダー』(2022)では、その方向性がさらに推し進められた。

ブラナーは、そうしたシリーズの変化を否定的には見ていない。続編群を観たかと問われると「はい」と答え、「素晴らしい映画です。本当にそう思います」とコメント。ケヴィン・ファイギがキャラクターと世界観に見出した可能性を称えつつ、「これほど伸縮性をもって、異なる冒険、異なるユーモア、異なる物語の推進力を包み込んできたこと」を興味深く見守ってきたという。

一方で、『ラブ&サンダー』のコメディ路線については、主演のヘムズワース自身も後年、やや行き過ぎていたと振り返っている。2023年には「楽しみすぎたのだと思います。ちょっとバカバカしくなりすぎた」と語り、2024年にも自身の演技について、即興や奇抜さに入り込みすぎて「自分自身のパロディ」のようになってしまったと反省していた

そうした流れの中で、ブラナー的な“神話劇としてのソー”に再び注目が集まるのは自然なことでもある。Business Insiderのインタビュアーから、マーベルが今後コメディから離れ、ブラナーが築いた基礎へ戻ろうとしているように見えると振られると、ブラナーは「観客としては、とても魅力的です」と語った。

「クリス・ヘムズワース、トム・ヒドルストン、そして関わってきたすべての人々に、私は非常に高い敬意を持っています。あのキャラクターたちには、大きな映画観客との特別な関係があります。彼らと共に育ち、その歩みを見てきた人々にとって、あのキャラクターたちをそれぞれの夕暮れへと連れていくことは、とても美しいものになり得ると思います」。

では、ブラナー自身が再び監督する可能性はあるのか。これについては慎重だ。「それはまったく別の質問です」としたうえで、MCUの今後の計画はすでにかなり先まで決まっているはずだと説明。それでも、「あの物語、あのキャラクター、あの俳優たちのアークに結論へたどり着くことには、美しいものがある」と述べている。

現時点で、ブラナーの復帰が具体的に進んでいるわけではない。一方、公開済みの『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』特別映像では、ソーが娘ラブのもとへ帰るため、再び戦いに向かう姿がシリアスな調子で描かれている。今後のMCUでソーの物語がどこへ向かうのかは不明だが、ブラナーが語るように、ヘムズワース版ソーの歩みに何らかの結論が描かれる可能性は、今後も注目されるところだ。

Source:Business Insider

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Joe Kishi

THE RIVER編集部。ハリウッド大作からインディー作品、アニメーションまで幅広くカバー。魂を揺さぶる瞬間に出会える記事を届けたい。

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