イニャリトゥ、『DIGGER/ディガー』と『バードマン』主人公像を語る ─ 「バードマンは承認を求め、ディガーは権力喪失を恐れる」【独自】

『バードマン』の主人公は、他人に認められることを求めていた。一方、『DIGGER/ディガー』の主人公が何よりも恐れているのは、権力を失うことだ。アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督がTHE RIVERのインタビューで、自身が生み出した2人の主人公の共通点と決定的な違いについて語った。
イニャリトゥ監督が2014年に発表した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は、かつてスーパーヒーロー映画で人気を博した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)が、ブロードウェイの舞台で再起を図る物語。かつての栄光に囚われ、他人からの評価を渇望する男のエゴや葛藤を描き、アカデミー賞作品賞など4部門を受賞した。
それから約12年、イニャリトゥ監督がトム・クルーズと初タッグを組んだ最新作『DIGGER/ディガー』にも、強烈なエゴを抱えた男が登場する。クルーズ演じるディガー・ロックウェルは、石油採掘会社のCEOにして大富豪。自らの欲深い行動によって地球滅亡の危機を引き起こし、今度は世界を救おうと奔走する、傲慢でどこか滑稽な人物だ。
両作の主人公は、大きなエゴを抱え、自分自身が作り上げた物語と現実との間でもがくという点で似ているようにも見える。そこでイニャリトゥ監督に、リーガンとディガーに見出せる共通点はあるかと尋ねた。
「リーガン・トムソンは、評価されたいと願い、自分自身の価値を証明しようとしているアーティストです。その奥には、ある意味で非常に脆い人間がいる。」
一方、ディガーの場合は事情が異なる。監督によれば、彼を突き動かしているのは、自分がすでに手にしているものを失うことへの恐怖なのだ。
「ディガーは権力を受け継いだ人物です。そして、その権力を失うことを心の底から恐れている。ある意味、それだけが彼の持っているものだからです。あとは猫ですね。猫だけが、彼にとって唯一の感情的なつながりです。」

リーガンは、自分に価値があることを他人に証明しようともがく。ディガーは、すでに持っている権力にしがみつき、それを失うことに怯えている。「ですから、2人のキャラクターが追い求めているものは違います」と監督は考えている。
「もちろん、どちらも人間についての物語ですし、権力や強欲というものは、種としての私たち人間のDNAの一部でしょう。でも、2人がたどる旅路は違うと思います。」
承認を求めるアーティストと、権力を失うことを恐れる大富豪。『バードマン』と『DIGGER/ディガー』は異なる物語でありながら、どちらも人間が抱えるエゴや欲望を炙り出している。
映画『DIGGER/ディガー』は全国公開中。THE RIVER公式YouTubeチャンネルでは、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督へ行った、ここだけでしか見ることのできない貴重な単独インタビューフル動画を公開中だ。
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