マイケル・マン監督、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を絶賛「ストーリー構造が素晴らしい」
『ヒート』(1995)や『インサイダー』(1999)『マイアミ・バイス』(2006)など硬派な作品の数々で知られる巨匠マイケル・マン監督は、やはり、というべきか、マーベル映画のようなスーパーヒーロー作品製作には関心がないという。ただし、意外な作品の好みがあるようで……。
米The Playlistの企画でマン監督は、将来スーパーヒーロー映画を監督する可能性について「情熱を感じられる映画しか作りません」との回答で否定。スーパーヒーロー映画は自身の好みではないことを示唆した。「私は旅人タイプの監督になりたい。映画から映画へと渡り歩くのです。ただ、(スーパーヒーロー映画は)自分の得意分野ではないと思う。血が騒がないのです」。
巨匠クラスのフィルムメーカーがマーベル映画に批判的な姿勢を見せることが多い一方、物腰柔らかい言い方で答えるマン。「一方で」、と続けている。「たとえば『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は、最後作は必ずしもそうでないが、1作目も2作目もとても上手くできていると思っていて、楽しく拝見させていただきました」。なんと、あのハードボイルド系映画監督のマイケル・マンは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ全作を鑑賞しており、気に入っているというのだ。
「うまくいっている理由は、裏側にあるストーリー構造が非常に非常にきちんと作られているからです。だからこそ、神話を展開したり、神話創出ができていたりするところが、とても面白い」と、ジェームズ・ガンによる手腕を絶賛したマン。「だからと言って、自分もやりたいというわけではありませんよ」と断っている。「確かにSFの企画はやってみたいですが、スーパーヒーローものではありません」。
マンは映画でシリーズものを手がけることはない。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』はトリロジー製作の利点を活かし、世界観や各キャラクターの背景を丹念に描きこんだ。シリーズを追うごとに、観客はキャラクターの過去や信念についてより深く理解できるようになる。
同様の描き込みを、マンは『ヒート』の続編小説『ヒート2』で行っていると言える。メグ・ガーディナーと共著したこの小説でマンは、1995年を描いた映画版の前日譚(1988年)と後日譚(2000年)を同時に描き、映画に登場したキャラクターを探求した。マンは現在、この小説の実写映画化に向けて取り組んでいる最中だ。
「SFの企画をやってみたい」とも言及したマン。独自の冷淡で硬派なトーンを活かした、味わい深いマイケル・マン流SFクライム・スリラーを観てみたいものだ。
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Source:The Playlist