「私がいなければ現在のMCUはなかった」 ─ マーベル・スタジオの「忘れられた創設者」が設立当時から退社を語る

2007年、米The New York Timesの記事には、マーベル・スタジオを真の映画製作ブランドにする、脚本から配給までを自社が制御する、利益を生みながら独自の映画ライブラリーを構築するというメイゼルの野心が記されている。その後の5年間で、自社出資の映画を10本公開する計画であることも。アイアンマン/トニー・スターク役にロバート・ダウニー・Jr.を起用したことについては、「我々の映画はスーパーヒーローである人間を描くもの。大人の関心を惹く素晴らしい役者たちを起用し、全員にアピールしたい」との意図を本人が語っている。
しかし、薬物問題や逮捕を経験していたダウニーの起用には、やはりスタジオから大きな懸念を抱かれていたという。当時の候補者は、ダウニーのほかティモシー・オリファント。メイゼルは「会社の未来を薬物依存者の手に委ねるなんてどうかしていると思われていた」と話す。「いかに彼(ダウニー)が役柄にふさわしいかの理解を求め、全員で“もう彼は依存者ではないし、今後も依存者にはならない”という確信を得ました」。

その後『アイアンマン』の大ヒットでMCUは幕を開けるが、それに先立つこと2年、2006年にはメイゼルと激しく対立していたプロデューサーのアヴィ・アラッドがスタジオを去り、ファイギが製作の統括役を任されている。そしてMCUが開幕したのち、2009年にはディズニーがマーベル・エンターテインメントを買収。この時、ボブ・アイガーCEOに買収を提案した張本人がメイゼルだった。
無事に売却が完了したのち、メイゼルは5,000万ドルの退職金を受け取ってマーベル・スタジオを退社。自らの後任者として、ファイギを社長に任命した。その後のMCUの躍進ぶりは誰もが知る通りだ。
「会社を去り、自分の人生を生きたいと思っていました。妻を見つけて……それはまだ実現できていませんが。ケヴィンは自分が育てた子どものようなものだし、彼の最大のファンは私だと思いますよ。ただ、すべてが始まった時、ケヴィンはまだその場にはいなかったんです。」
2015年、マーベル・スタジオは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)に「マーベル・スタジオ創設者」としてデヴィッド・メイゼルの名前をクレジットした。自身の貢献が評価されてこなかったことに「傷ついていた」というメイゼルだが、このことには大いに救われたようだ。
▼マーベル・シネマティック・ユニバース の記事

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Source: The New Yorker, The New York Times, The Hollywood Reporter




























