『Michael/マイケル』プロデューサーが語る製作裏話 ─ 「ステージ上とステージ外のマイケルを、最前列で観せよう」【インタビュー】
──撮影過程についてもぜひお聞かせください。『ボヘミアン・ラプソディ』の時は、映画の最後にあったライヴ・エイドのパフォーマンスを撮影初日に持ってきたんですよね。本作でも、Badツアーの「バッド」のパフォーマンスから撮影をスタートしたそうです。なぜ、こうした重要なパフォーマンスシーンから撮影を始めるのですか?
まず俳優にとっては、パフォーマンスの撮影から始めることには利点があると思います。なぜなら、それこそがたいてい最大の挑戦だからです。自分が演じる人物を、自分たちなりに作り上げなければならないわけですから。
『ボヘミアン・ラプソディ』では、最初にライヴ・エイドの場面を撮影し、その後にドラマ部分を撮りました。今回の作品では、「バッド」やほかの多くのパフォーマンス場面を撮影してから、ドラマ部分に入っていきました。そうすることで、俳優たちはより自信を持てるようになるんです。ダンスの動きやパフォーマンス、そして10万人の観客を前にステージに立つ有名人を作り上げるという、最も高い試練を乗り越えたことがわかるからです。
フレディとマイケルは、とても似ていました。2人ともスタジアムで歌い、スタジアムでのパフォーマンスを愛していました。そして音楽を通して、人々をひとつにしたんです。今の時代に、映画館でその感覚を作り出すことは、私たちにとって映画を作るうえで非常に特別な方程式なんです。
だから、そこから始める理由はいくつもあります。ネットで読んだことがありますが、「グレアム・キングの伝記映画は、『ボヘミアン・ラプソディ』ではフレディ・マーキュリーがライヴ・エイドの前に飛び跳ねているところから始まり、『Michael/マイケル』ではマイケル・ジャクソンが飛び跳ねているところから始まる」と言われていました。あれは狙ったわけじゃなくて、たまたまなんです(笑)。

ただ、『ボヘミアン・ラプソディ』では、あの場面の緊張感から始め、そこから物語を語っていき、やがてその場面に追いついていく構成が良かったと思っています。『Michael/マイケル』でも、観客にとってより馴染みのあるマイケル・ジャクソン、つまり「バッド」のルックから始めたいと思いました。ただし、最初から彼を見せるのではなく、後ろ姿だけで見せる。観客は「来る」とわかっているけれど、それがいつなのかはわからない。そうすることで、より期待を高めたかったんです。
──現在ではミュージシャン伝記映画がたくさん作られていますよね。ユニバーサルではボン・ジョヴィの伝記映画も動いていると聞きます。あなたも、次はビー・ジーズの伝記映画に取り組んでいるんですよね。伝記映画を成功させる鍵は、何だと思いますか?
私にとって、その部分にはたくさんの要素があります。大切なのは、象徴的な人物を世界に示すことです。それがパフォーマーであれ、政治家であれ、発明家であれ、その人物を人間として描くこと。天才たちを、人間として描くことなんです。
たとえば『アビエイター』でレオナルド・ディカプリオが演じたハワード・ヒューズ、モハメド・アリ、フレディ・マーキュリー、マイケル・ジャクソン。あるいは、私が手がけた『アルゴ』のトニー・メンデスもそうです。彼らがどういう人物だったのか、その内側を世界に見せる。世界に、その人物を知るための視点を与えることなんです。
特にパフォーマーの場合は、そこが重要です。彼らには、世間が知っているペルソナがあります。ステージに上がり、ある種のキャラクターを演じるわけです。でも、人々が本当に見たいのは、ステージを降りた後の姿でもあります。だから、その両方を組み合わせることが大切なんです。

私は以前、マイケル・ジャクソンについてこう話していたのを覚えています。「世界中の人々に、ステージ上とステージ外のマイケルを最前列で観るチケットを渡そう」と。
そして、マイケルの最も有名な言葉のひとつに、彼は「自分はステージの上で生まれた。ステージにいない時、世界は自分にとって異質な場所だった」と語った、というものがあります。私はその言葉を掘り下げ、彼がそれによって何を意味していたのかを観客に示したいと思いました。そして、この映画ではそれをきちんと描くことができたと思っています。























