Menu
(0)

Search

でも『スパイダーマン2』のMJ目線から見ると、ピーターの方がずっと意味不明なんだよな ─ 彼女だって孤独だった?MJ擁護論

スパイダーマン
© Columbia Pictures Photographer: Doug Hyun 写真:ゼータイメージ

サム・ライミ版『スパイダーマン』(2002)『スパイダーマン2』(2004)で、ヒロインのMJ/メリー・ジェーン・ワトソンはなかなかワガママで理解し難い女性である。『スパイダーマン』1作目での印象的な「雨の中の逆さキス」も、「MJ、お前、彼氏いるんだよな?」とツッコミたくなるし、『スパイダーマン2』ではピーターとイイ感じになっておきながら別の男性と結婚に進もうとし、最終的には全員驚愕の結婚式キャンセル界隈をかます始末である。

ヒーローと苦学生の二重生活に悩む、我らが愛すべきピーター・パーカーをどこまでも振り回して困らせたことから、一部ファンから「このシリーズで真に厄介なのは彼女ではないか」と言われることもあるMJ。しかし、大人になってもう一度、冷静に考えてみたい。本当にMJはワガママだったのか?と。今日は、MJ目線で彼女の恋愛を解説しよう。実はピーターの方こそ、一貫性のない意味不明な男だったとわかるはずだ。あぁMJ、きみ、結構大変だったんだね。

(映画『スパイダーマン2』は2026年7月3日(金)より、1週間限定でヒューマントラストシネマ渋谷にてリバイバル上映。)

確かに、シリーズを通じて、MJはコロコロと交際相手を変えている。高校時代はスクールカースト上位層のいじめっ子、フラッシュと付き合い、その後はオズコープ社の御曹司ハリー・オズボーンと交際。その間も、ピーターが「ハリーには内緒で」バイト先に遊びに行くと持ちかけると「内緒でね」と危うく乗じたり、暴漢に襲われたところをスパイダーマンに助けられると、素性もわからぬ相手とキスを交わし、舞い上がったまま彼氏(ハリー)に電話をするという奔放っぷりを見せる。

極め付けは『スパイダーマン2』での振る舞いだ。ハリーと別れたと思いきや、いつの間にかジェイ・ジョナ・ジェイムソンの息子にして宇宙飛行士のジョン・ジェイムソンと交際。婚約が決まっているにも関わらず、ピーターと中途半端な関係を続け、最終的には結婚式の当日にウェディングドレスのまま会場を飛び出し、列席者全員を困惑させるという非常識ムーブをかましてしまう。

一見、別の男と永遠の愛を誓う直前になって主人公との愛に気付き、めでたく気持ちを通わせたという展開ではある。しかし、昼ドラじゃあるまいし、たった2本のヒーローアクション映画の中で何度も大胆な乗り換えを見せたMJの姿に、「恋愛って恐ろしいな」と感じた当時の少年少女も少なくないだろう。しかし、それはあくまでピーターの事情を知っている観客の見え方である。MJの側から見れば、この物語はまったく別の顔をしている。

さて今、我々も大人になってみて、改めてMJの恋愛歴を見てみよう。本当に彼女はワガママで奔放な女性だったのだろうか?思春期のMJの目線から見て、彼女は本当にピーターをパートナーに定めるまで、必要以上に紆余曲折を経ていたのだろうか?

まず劇中で1人目の彼氏であるフラッシュだが、これは別れて当然である。仮にあのまま付き合い続けていたら、あいつは別世界でデスストロークになってしまうから大変だ。

続いてハリーだが、これも別れるべきだったろう。確かにイケメンでお金持ちだが、祝賀祭で彼女が着てきたドレス(赤いチャイナドレス)を見るや、「綺麗だね」や「すごく似合ってるよ」などよりも先に、「なぜ黒を着てこなかったんだ、僕の父さんが黒好きだから喜んだのに」とか言い出す重度のファザコンである。なぜ彼氏の親の色の好みを考えてドレスを選ばなきゃいけないんだ。

そしてピーター・パーカーである。幼馴染のお隣さんで、最もMJのことを理解してくれる人。まさに“親愛なる隣人”だ。MJはメイおばさんの見舞いに訪れた際、ピーターからまっすぐな好意を伝えられて心が動く。そしてグリーンゴブリンに殺されかけた時、本当に会いたい人、大切な人はピーターだったと気付き、ついに「あなただけがいつもそばにいてくれた」「愛してる、ピーター」と伝える。

しかし、ピーターがここで「ダメだよ」と引いてしまうところが、MJ目線からするとマジで意味不明なところである。さんざん好意を出しておいて、彼女もその気になって、いざ愛を認めると、「僕たち友達だよ」とか言って、黙って立ち去ってしまう。なんだよそれ?そりゃ泣くぜMJ。ピーターにも深い事情があったわけだが、何も知らないMJからすると、ピーターの方も、なかなかひどい男なのである。

続く『スパイダーマン2』でも、ピーターの謎行動は続く。夜、2人の裏庭で出くわして話してみても、ピーターは何やら勝手に気まずそうにしていて、きちんと喋ってくれない。「何か言いたいの?」「あなたって謎ね」なんて、相手に言わせちゃダメだぜピーター。

この頃、すでにMJは、ピーターとは将来がないと判断し、別の男性と結婚も視野に入れた交際をスタートしている。ジョン・ジェイムソンだ。劇中では影が薄かったが、有名新聞編集長の息子であり、NASAの宇宙飛行士にして大尉。凄まじいハイスペ男である。経済的にも頼もしいし、将来も安心だろう。それに、あの逞しい顎!結婚するなら、絶対ジョン・ジェイムソンのような男だ。間違いない。

一方、ピーターである。MJ出演の舞台を「観に行くよ」と言って期待させておきながら、結局来ない。出番前の楽屋で「今日は誰か来るかも♪」とルンルンだったMJが救われない。

後日、再会したMJが「辛すぎる」と本音を伝えると、ピーターはいきなり「最近、詩を読んでるんだ。“来る日も彼は彼女を見つめ……”」となんの関係もない返答を繰り出す。あまりにも意味不明すぎて、MJは「え、なにそれ?やめて?」と引いている。舞台に来れなかった理由?「いや、ちょっと騒ぎがあって……」、意味不明である。

Writer

アバター画像
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者、運営代表。執筆・編集から企画制作・取材・出演まで。数多くのハリウッドスターに直接インタビューを行なっています。お問い合わせは nakataniアットriverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly