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【ネタバレ解説】「シー・ハルク」ヤバすぎ最終話、ケヴィン・ファイギの反応は?海外メディアはどう見たか

シー・ハルク:ザ・アトーニー
(c) 2022 Marvel

この記事には、「シー・ハルク/ザ・アトーニー」第9話『主人公は誰?』のネタバレが含まれています。

「シー・ハルク」最終話のKEVIN、ケヴィン・ファイギには一つだけ気に入らないところがあった

シー・ハルク:ザ・アトーニー
(c) 2022 Marvel

作中でAIドロイド化されたケヴィン・ファイギは、「シー・ハルク/ザ・アトーニー」第9話『主人公は誰?』の挑戦的な描写に一つだけ不満があったらしい。米Marvelの公式インタビューで、脚本家のジェシカ・ガオが明かしている。

この最終話では、ヴィランとの大乱闘がジェニファーによって中断され、ビッグバトルのない型破りなフィナーレを迎えた。実は、当初こそ「マーベル的な」エンディングが20パターンほど考えられていたのだが、そのどれもがしっくりこなかったという。そこで、「シー・ハルク」の結末にビッグバトルは不要ではないかと提案した張本人こそ、ケヴィン・ファイギだった。

ガオによれば、ケヴィン・ファイギは当初、AIドロイドではなく人間の姿で登場する案だった。それも、ジョージ・クルーニーやジョン・ハムのような、タキシードを着たハンサムな男性が演じるというアイデアから始まったそうだ。

しかし製作陣はより不条理さを求め、ケヴィンをAIドロイドとして描くことにした。当初のデザインでは、ケヴィン・ファイギのトレードマークである野球帽を被っていたという。そこにケヴィン本人は難色を示したようだ。

チームが考案したAIドロイド版KEVINのスケッチは、どれも黒い野球帽が被せられていた。これを見たケヴィンは「意味がわからない。どうしてロボットなのに帽子を被るんだ」とツッコミ。ガオは、「そこが、あなたが越えられない論理の線なんですね」とリアクション。自分がMCU全てをコントロールしているAIの脳として描かれるところではなく、「どうしてロボットなのに帽子を被っているのか」というポイントの方が気になるんですか。ガオがそう驚くと、ケヴィンは一言、「そうだ」と答えたということだ。

しかしチームは、ケヴィン・ファイギの野球帽を諦めなかった。最終的なデザインでは、三つのカメラの上部にバイザーが添えられ、野球帽を再現したような見た目になっている。「そうすれば、ケヴィンにとっても私にとっても、理に適ってるでしょ」とガオは言う。

さらにガオが明かしたところによると、劇中のスタジオでシー・ハルクにNDAを求めた受付スタッフは、当時実際にマーベル・スタジオで受付スタッフだった人物なのだそうだ。

大胆すぎる最終話、あなたの意見は?

「シー・ハルク」では最初のエピソードから、第4の壁を超えて観客に語りかける演出があったものの、このフィナーレほどの大胆さを予想できた者は少なかっただろう。ラストでは『ワイスピ』よろしくファミリーで大円団。ブルース・バナーがサカールから戻って、まさかの息子スカーを紹介したり、空からデアデデビルが降ってきてスーパーヒーロ着地、再びジェニファーとイイ仲になったりと、ジェニファーの望む穏やかな結末が描かれた。タイタニア役ジャミーラ・ジャミルがチャーリー・コックスの写真を撮影していたのは、きっとこのシーンの撮影だったのだろう。

非常にメタ的なこの展開を、マーベル・スタジオや「シー・ハルク」ならではのちょっとしたお遊びやおふざけと取るか、それともシリーズの世界観を根本から破壊する行為と取るかは、それこそ「ネット上の議論に委ねる」ものだ。それでは、海外のメディアやファンはどう見たか。いくつかの意見をご紹介しよう。

「マーベルドラマ史上、最も独創的で特異。この素晴らしく自意識過剰なシーズンフィナーレは、『シー・ハルク』がMCUプロジェクトとして他の追随を許さない存在であることを確固たるものにした。」(GamesRant

「このエピソードは、ジェンの旅と、このシリーズにおけるストーリーテリングについての大きなメタ考察という2つの点をうまく結び付けておらず、ベストの仕事をしたとは言えない。」(Den of Geek

「シーズン2ができたら、最後は夢オチなんじゃないかとずっと気になってしまうだろう」(Cnet

「微妙にうまいところは、──脚本家のミスであるが── 女性ヒーローは男性ヒーローほど努力する必要がないというネット上の文句に強く寄り添っている。最大の例として、ジェンは戦いに対処することを望まず、少しの努力で全てが自分の望み通りになるよう書き直しを求めるだけなのだ。」(Lyles Movie Files

「シーズンをうまくまとめている。フェミニストの思慮深いコンセプトを、掘り下げすぎることなく紹介している。とても面白く、MCUのファンをかなり楽しくからかう、メタ・コメディの要素を取り入れた意欲作だ。おそらくストーリーの面は犠牲になっていると思うが。」(AV Club

「デッドプールですら超えられない破壊的なやり方で、マーベル最大の欠点を解体してみせた。」「5つ星のアイデアに、2つ星のアイデアを必要とする、なんとも奇妙なコンセプトの作品だ。気に入るかもしれないし、嫌いになるかもしれない。ただ、マジでやったことは称賛したい。」(GamesRadar

「『シー・ハルク』は、マーベルが創造上の自由を本当に自由にさせたらこうなった、って感じだ。おバカで、ウィットに富んだシリーズで、純粋に楽しめた」(@minnieskurt

「みんなシー・ハルクとケヴィン・ファイギの会話について話しているけど、なんで誰もハルクの息子の話しないん?」(@Ezki_

「シー・ハルク/ザ・アトーニー」はディズニープラスで独占配信中。

Source:Marvel.com

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。