『スパイダーマン』過去3作、NY街スイングシーンを「あえて避けていた」 ─ 『ブランド・ニュー・デイ』で原点回帰、ゲーム版からも影響

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)版スパイダーマン最新作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』では、“ニューヨークの摩天楼を飛び回るスパイダーマン”という王道の魅力が本格的に帰ってくるようだ。
2026年7月17日(日本時間)に開催されたグローバル記者会見で、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが、トム・ホランド版の過去3作品と最新作の方向性の違いを説明した。
「僕たちは最初の3作のMCU版スパイディで、“彼が共有されたユニバースの中にいる”という点に重点を置いてきました。というのも、それ以前の5本のスパイダーマン映画では、その部分を掘り下げることができなかったからです。」
サム・ライミ監督による『スパイダーマン』3部作と、マーク・ウェブ監督による『アメイジング・スパイダーマン』2部作は、それぞれ独立した世界で展開していた。一方、トム・ホランド版は初登場作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)からMCUの共有世界に組み込まれ、歴代実写版との差別化が図られてきた。
第1作『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)では、『シビル・ウォー』でアベンジャーズの戦いを経験したピーターが、トニー・スタークに見守られながら一人前のヒーローを目指した。スーツや装備にもスターク・インダストリーズの技術が用いられ、ピーターはアベンジャーズへの加入に憧れていた。
第2作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)は『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)後の世界を舞台に、ピーターが亡きトニーの後継者としての重圧に直面する物語。舞台をニューヨークからヨーロッパへ移し、ニック・フューリーやマルチバースからの(偽りの)使者ミステリオを通じて、MCUの大きな世界に放り込まれるピーターを描いた。
そして『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)では、ドクター・ストレンジの魔術によってマルチバースが開かれ、過去シリーズのスパイダーマンやヴィランまでもが集結。M共有世界の特性を最大限に活用し、3部作を締めくくった。
こうして過去3作が“ほかのヒーローや世界とのつながり”を強調してきた一方、『ブランド・ニュー・デイ』はピーターを再びニューヨークへと連れ戻す。
「今回『ブランド・ニュー・デイ』になった理由のひとつは、この作品が“ニューヨークのピーター”にしっかり焦点を当てていることなんです。初期の映画では、ニューヨークのビルの谷間をスイングするシーンをあえて避けていたんですよ。というのも、それは過去に何度もやられてきたからです」とファイギは説明した。


過去3作にもニューヨークを飛び回る場面自体は存在したが、少なくとも物語やアクションの中心としては意識的に抑えられていたということだろう。ライミ版や『アメイジング・スパイダーマン』では、摩天楼の間をウェブで駆け抜ける姿がシリーズの象徴として繰り返し描かれていた。MCU版はそのイメージをそのまま踏襲するのではなく、アベンジャーズやマルチバースといった新たな要素を前面に押し出してきた。
しかしトム・ホランド版の始動から約10年が経過した現在、王道のスイングアクションが再び新鮮に映る段階に来たようだ。ファイギは「今となっては、ニューヨークをスイングする姿を描くのは10年ぶりなので、また新鮮でワクワクするんです」とコメント。さらに、そのアクションを進化させるうえで、近年のスパイダーマンゲームからも刺激を受けたことを明かしている。
「最近のゲームではアクションのレベルがものすごく上がっていて、デスティンはそれをしっかり再現し、さらに超えてきました。だから本当に興奮しています。」

ファイギは具体的な作品名を挙げていないものの、これはInsomniac Gamesによる『Marvel’s Spider-Man』シリーズを指しているのだろう。映画からゲームへと受け継がれ、発展してきたスパイダーマンのアクション表現が、今度はゲームから映画へ逆輸入されることになるのかもしれない。『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)でも立体的なアクション演出を見せたデスティン・ダニエル・クレットン監督が、ゲームの水準を「再現し、さらに超えた」というファイギの発言には期待が高まる。
『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は2026年7月31日、日米同時公開。
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